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トピックス

『権力の病理 誰が行使し誰が苦しむのか』

医療・人権・貧困
ポール・ファーマー 豊田英子訳 山本太郎解説
アマルティア・セン序文

「ポール・ファーマーは傑出した医師であり、洞察力に富んだ人類学者であり、社会正義の唱道者(prophet)である。断固とした道徳上のスタンスに立ち、科学的専門技術を駆使し、無限の献身を行う。ハイチで、ペルーで、ロシアで、彼は無数の命を救い、たとえそれが複雑な療法であっても、効果的な医療は貧困国でも実施可能なことを証明した」
――ジェフリー・サックス
「才能ある医師や組織の創立者には様々なタイプがあるものだが、ポール・ファーマーのように預言者(prophet)と言っていい人物はめったにいない。『権力の病理』は深遠な著作だ。一人でも多くの人に読まれるべきである」
――ニューイングランド・ジャーナル・オヴ・メディシン誌
「ファーマーは我々に、理性と心の両方を啓かせるという非常に希有な本を与えてくれた。これは社会に積極的に関与する学問のモデルであり、人権問題にたいして快適な無関心を決め込んできた社会学者たちへの、緊急の呼びかけである」
――ロイック・ヴァカン

ポール・ファーマーは貧困国での無償医療活動によって著名な医師・人類学者。1990年代からハイチ、グアテマラ、メキシコ、ペルー、ロシア、ボストンを行き来しつつ、本書のもととなる論文を書きついだ。彼自身トレーラーハウス暮らしの貧困家庭出身だが、奨学金を受けて高等教育を受け、ハイチの貧困者に無償医療を提供する非政府組織を立ち上げた。その組織パートナーズ・イン・ヘルスhttp://www.pih.org/は実績を積み重ね、今年、『グローバル・ジャーナル』誌http://theglobaljournal.net/による世界のNGOランキングで、ウィキメディア財団に次いで二位を占めるまでになった。その医療活動はこの分野でのモデルとなっている。

彼はいかにして結果を出してきたのだろうか。本書を読むと、その理由や実践の知的構築もさることながら、「はじめから可能で正しいこと」をあえて選択しない社会の姿が見えてくる。その病の根っこは、医療や人権問題や貧困問題の分野にかぎらず、どの分野にも存在するのではないだろうか。

この4月に、パートナーズ・イン・ヘルスの共同創立者のひとりであるジム・ヨン・キム氏が世界銀行次期総裁に選出された。ハーヴァード大学でのファーマーの同級であり、医師、大学学長からの転身だ。分野は違えど「病の根っこ」を特定し、正しいことを行う手腕が買われたのだろう。知力と馬力あふれるこの二人の足跡を追ったエッセイを、本書の解説者である長崎大学の山本太郎先生に寄せていただいた。雑誌『みすず』5月号(5月1日発売)に掲載の予定である。こちらも合わせてご覧ください。




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