みすず書房

 

ベストセラー『21世紀の資本』を発展継承する超大作、ついに邦訳。

 

中世社会から現代のハイパー資本主義まで、格差をめぐるイデオロギーの世界史

新着情報

2023.12.23 日本経済新聞「エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」(2023)で第6位に選出されました
2023.12.23 週刊ダイヤモンドの2023年「ベスト経済書」ランキングで第10位に選出されました
2023.12.8 『週刊エコノミスト』に書評が掲載されました
2023.12.1 『資本とイデオロギー』電子書籍の配信を開始しました
2023.11.30 『webゲンロン』に書評が掲載されました
2023.11.4 『週刊東洋経済』に書評が掲載されました
2023.10.14 『朝日新聞』に書評が掲載されました
2023.10.14 『日本経済新聞』に書評が掲載されました
2023.10.06 『週刊読書人』10/6号に特集記事が掲載されました
2023.09.18 山形浩生氏ブログ「経済のトリセツ」に『資本とイデオロギー』読書ガイドが掲載
2023.08.22 『資本とイデオロギー』刊行
2023.06.23 『資本とイデオロギー』特設サイトを開設しました
2023.06.23 近刊トピックス「試し読み! 資本とイデオロギー」を公開しました

格差は経済的なものでもなければ技術的なものでもない。イデオロギー的で政治的なものだ。これはまちがいなく、本書で採用した歴史的アプローチから生じる、最も衝撃的な結論だ。言い換えると、市場と競争、利潤と賃金、資本と負債、熟練労働者と非熟練労働者、自国民と外国人、タックスヘイブンと競争力――こうしたものは、どれも見た目通りのものではないということだ。これらはすべて、社会的、歴史的な構築物であり、人々が採用することを選んだ法的、税制的、教育的、政治的な仕組みと、彼らが使用を選んだ概念的な定義に完全に依存しているのだ。こうした選択は各社会の社会正義や経済的公平性の考え方により形成され、また対立する集団や言説の政治−イデオロギー的な権力均衡により形成される。重要なこととして、この権力関係は物質的なものには限られない。それは知的でもあり、イデオロギー的でもある。言い換えると、アイデアやイデオロギーは歴史の中で意味を持つ。それは多くの道筋があり得るし、それが新しい世界やちがった種類の社会を想像できるようにしてくれるのだ。(「はじめに」より)

目次

序文と謝辞

はじめに
イデオロギーとは何か/境界と財産/イデオロギーを本気で考える/集合的な学習と社会科学/本書で使った情報源――各種の格差とイデオロギー/人間の進歩、格差の復活、世界の多様性/格差の復活――最初の方向性/エレファントカーブ――グローバル化をめぐる冷静な議論/極端な格差の正当化について/歴史から学ぶ――20世紀の教訓/イデオロギーの凍結と新しい教育格差/複数エリートの復活と平等主義連合形成の困難/所有、教育、移民の公正を再考する/世界の多様性――「長期」の不可欠性/自然言語と数学言語の相補性について/本書の構成

第I部 歴史上の格差レジーム

第1章 三層社会──三機能的格差
三機能の論理――聖職者、貴族、平民/三層社会と現代国家の形成/三層社会の正統性低下――革命と植民地化のはざまで/三層社会の現代性/三層社会における格差の正当化/分断されたエリート、統合された平民?/三層社会と国家形成――ヨーロッパ、インド、中国、イラン

第2章 ヨーロッパの身分社会──権力と財産
身分の社会――権力バランスの一形態?/三機能身分、自由労働の促進とヨーロッパの運命/聖職者と貴族の規模とリソース――フランスの場合/アンシャン・レジーム末期に減少する貴族と聖職者/貴族の減少はどう説明できる?/貴族――革命と王政復古の間の財産階級/財産所有組織としてのキリスト教教会/豊かな教会vs豊かな世帯と相続慣行/教会財産――経済法と資本主義の起源?

第3章 所有権社会の発明
1789年の「大区分」と現代財産の発明/労働賦役、強制使用義務、地代――封建主義から財産主義へ/ロッドとアンシャン・レジーム下での重層的な永続権/規模を考慮せずに、財産を新しい基盤に乗せることは可能か?/知識、権力、解放――三層社会の転換/革命、中央集権国家、公正についての学習/財産主義イデオロギー――解放と神聖化とのはざまで/所有権社会における格差の正当化

第4章 所有権社会──フランスの場合
フランス革命と所有権社会の発達/格差を減らす――「世襲中流階級」の発明/格差の首都パリ――文学から相続文書まで/ポートフォリオ分散化と財産の形態/ベル・エポック(1880-1914年)――財産主義的で不平等的な現代性/1880-1914年のフランス税制――静謐な蓄積/「四人の老婦人」税、資本課税と所得税/普通選挙、新たな知識、戦争/革命、フランス、平等性/資本主義――工業化時代の財産主義

第5章 所有権社会──ヨーロッパの道筋
聖職者と貴族の規模――ヨーロッパの多様性/戦士貴族、所有者貴族/イギリスと三層=財産主義の漸進主義/イギリス貴族は財産貴族/古典小説での所有権社会/バークの貴族名鑑――准男爵から石油億万長者まで/貴族院、財産主義秩序の守護者/累進課税をめぐる戦いと貴族院の凋落/アイルランド――三機能、財産主義、植民地主義イデオロギーのはざまで/スウェーデンと四身分社会の憲法化/一人百票――スウェーデンにおけるハイパー制限選挙民主主義(1865-1911年)/株式会社と制限選挙――お金の力の限界とは?/19世紀所有権社会の不平等化/所有権社会の三つの課題

第II部 奴隷社会、植民地社会

第6章 奴隷社会──極端な格差
奴隷のいる社会――奴隷社会/イギリス――奴隷廃止の補償、1833-1843年/奴隷所有者補償の財産主義的な正当化/フランス――1794-1848年の二重の廃止/ハイチ――奴隷財産の公的債務化/1848年奴隷制廃止――補償、規律工房、「志願兵」/強制労働、財産主義神聖化、賠償金問題/米国――戦争による奴隷制廃止、1860-1865年/米国における段階的な奴隷制廃止や補償の不可能性について/奴隷制の財産主義的正当化と社会的正当化/「再建」と米国の社会自国主義の誕生/ブラジル――帝国と人種混合による廃止、1888年/ロシア――弱い国家での農奴制廃止、1861年

第7章 植民地社会──多様性と支配
ヨーロッパ植民地主義の二つの時代/入植者植民地、入植なしの植民地/奴隷社会と植民地社会――極端な格差/財産と所得の最大限の格差/植民者のための植民地化――植民地予算/歴史的に見た奴隷と植民地収奪/植民地収奪の残虐性から「穏やかな商業」の幻想へ/他の国に所有される困難/宗主国の合法性、植民地の合法性/フランス植民地における合法的な強制労働、1912-1946年/晩期植民地主義――南アフリカのアパルトヘイト、1948-1994年/植民地主義の終焉と民主連邦主義の問題/フランス=アフリカ連邦からマリ連邦へ

第8章 三層社会と植民地主義──インドの場合
インドの発明――手始めに/インドと四層身分――バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラ/バラモン的秩序、菜食主義、父権主義/ジャーティの多文化的な豊富さと、ヴァルナの四層身分/ヒンドゥー封建主義、国家建設、カーストの変容/インドにおける国家構築の特異性/インドの発見とイベリア半島のイスラム包囲/武力による支配、知識による支配/インドにおけるイギリスの植民地国勢調査、1871-1941年/インドとヨーロッパの三機能社会における社会集団を数える/識字地主、行政官、社会統制/植民地インドとカーストの再硬直化/独立インド、過去からの地位格差に直面/インドにおけるアファーマティブ・アクションの成功と限界/財産の格差と地位の格差/社会枠およびジェンダー枠とその変容の条件

第9章 三層社会と植民地主義──ユーラシアの道筋
植民地主義、軍事支配、西洋の繁栄/国家が夜警もできないほど小さかった頃――近代国家の二つの躍進/国家間の競争と共同のイノベーション――ヨーロッパの発明/スミス的中国とヨーロッパのアヘン商人/保護主義と重商主義――「大分岐」の起源/日本――三層社会の近代化加速/被差別部落民、不可触民、ロマの社会統合/三機能社会と中国国家の構築/中国帝国試験――士大夫、地主、戦士/中国の反乱と未完の分岐/立憲聖職者共和国の事例――イラン/シーア派聖職者の反植民地主義正当性/平等主義的なシーア派共和国、スンナ派石油王朝――言説と現実/イスラム諸国の平等、格差、ザカート/財産主義と植民地主義――格差のグローバル化

第III部 20世紀の大転換

第10章 所有権社会の危機
20世紀前半の「大転換」を再考する/格差と私有財産の崩壊(1914-1945年)/ヨーロッパ財産主義から米国新財産主義へ/所有権社会の終焉――賃金格差の安定性/私有財産減少の分析(1914-1950年)/収用、国有化措置、「混合経済」/民間貯蓄、公的債務、インフレ/過去の清算、正義の確立――私有財産に対する特別税/富の減少から永続的分散へ――累進税の役割/現代累進税制の英米起源について/財政国家と社会国家の隆盛/課税の多様性と税累進性の役割について/所有権社会、累進課税、第一次世界大戦/財産主義崩壊における社会イデオロギー闘争の役割/社会に組み込まれた市場の必要性について/帝国競争とヨーロッパ均衡の崩壊/異常な戦争賠償から新たな軍事秩序へ/所有権社会の崩壊と国民国家の超克/民主社会主義とオルド自由主義の間にある連邦連合

第11章 社会民主主義社会──不完全な平等
ヨーロッパ社会民主主義の多様性について/米国のニューディール政策――安売り社会民主主義/社会民主主義社会の限界について/公的所有、社会所有、一時所有/権限共有、社会所有の制度化――未完の歴史/ドイツ共同経営の成功と限界/ゲルマン北欧型共同経営の普及の遅れについて/社会党、労働党、社会民主党――交差する道筋/ヨーロッパ共同経営指令から「2x + y」提案へ/共同経営を超えて――社会所有と権限共有の再考/協同組合と自己管理――資本、権力、議決権/社会民主主義、教育、米国優位の終わり/米国――初等、中等教育の初期先進国/1980年以降取り残された米国下層階級/法、税制、教育制度の一次格差への影響について/高等教育化と教育、社会の新たな階層化/お金で大学に入れるか?/欧米での教育アクセスの格差/近代的成長の源泉としての教育の平等/社会民主主義と公正な課税――実現しなかった機会/資本主義と国民国家の超克に直面する社会民主主義/資本フローのグローバル化と自由化の再考/米国、ヨーロッパ、資産税――議論は続く/累進資産税、あるいは恒久的な農地改革/18世紀からの惰性で続く資産税/資産税についての集団学習と将来的な見通し/交差する軌跡と財産税の再発見

第12章 共産主義社会とポスト共産主義社会
財産理論なき権力掌握は可能か?/「マルクス・レーニン主義」政権の存続について/共産主義と反植民地主義による解放の浮沈/共産主義と正当な差の問題/分権的な社会組織における私有財産の役割について/ポスト共産主義ロシア――オリガルヒ、泥棒政治への転換/オフショア資産が総適法金融資産を超えるとき/「ショック療法」とロシア泥棒政治の起源/独裁混合経済としての中国/負の公有財産、私有財産の全能性/負債への逃避、課税公正性の放棄/中国の格差容認の限界について/中国の格差の不透明性/中国――共産主義と金権政治のはざまで/文化大革命が格差認識に与えた影響/中国モデルと議会制民主主義の超越について/選挙制民主主義、境界、財産/一党制国家と党管理民主主義の改革可能性/東ヨーロッパ――ポスト共産主義への幻滅の実験室/EUにおける市場原理の「自然化」について/ポスト共産主義と社会自国主義の罠

第13章 ハイパー資本主義──現代性と懐古主義のはざまで
21世紀の格差の形/中東――グローバル格差の頂点/格差測定と民主主義的透明性の問題/税務透明性の欠如について/社会的公正、気候的公正/国家間と個人間の炭素排出の格差について/格差の測定と政府の責任放棄について/不透明性の克服――公的金融台帳/情報時代における公式統計の劣化について/新財産主義、富の不透明、税制競争/ハイパー集中化した富の持続について/21世紀における家父長制の持続について/貧困国の貧窮と貿易自由化について/貨幣創造は私たちを救ってくれるのか?/新財産主義と新金融体制/新財産主義とオルド自由主義――ハイエクからEUまで/能力主義と新財産主義の創案/慈善幻想から億万長者の神聖化へ

第IV部 政治対立の次元再考

第14章 境界と財産──平等性の構築
左派と右派の脱構築――社会政治対立の次元/1945年以来の左派得票――労働者党から高学歴党へ/有権者的亀裂と政治‐イデオロギー的亀裂の世界的研究に向けて/民族‐人種的亀裂と社会自国主義の研究を国際化する/政党の刷新、投票率の低下/大衆階級の投票率低下について/教育的亀裂の逆転について――高学歴党の発明/教育的亀裂の逆転の堅牢性について/教育的亀裂の逆転、職業的亀裂の再定義/左派政党と大衆階級――決別の構造/「バラモン左翼」と、社会と教育の公正の問題/教育の公正に関する新しい規範の必要性について/左派と右派から見た財産について/左派と自営業者――不信の世紀年代記/「バラモン左翼」と「商人右翼」の強みと弱み/フランスにおけるアイデンティティと宗教的な亀裂の復活/自国主義の台頭と大いなる政治‐宗教的な混乱/宗教的な亀裂、出自をめぐる亀裂――差別の罠/境界と財産――四区分された有権者/有権者の四区分の不安定さについて/黄色いベスト、炭素、富裕税――フランスにおける社会自国主義の罠/ヨーロッパと大衆階級――決別の根拠/ヨーロッパが新財産主義の道具にされている点について

第15章 バラモン左翼──欧米での新たな亀裂
米国政党制の変容/民主党はグローバル化勝者の政党になるか?/米国における人種対立の政治利用について/「福祉の女王」と「人種枠」――共和党の南部戦略/有権者的亀裂とアイデンティティ対立――大西洋の両側での見方/アイデンティティの流動性と固定分類の危険性/民主党、「バラモン左翼」、人種問題/失われた機会と不完全な分岐点――レーガンからサンダースへ/イギリス政党制の変容/イギリスにおける「バラモン左翼」と「商人右翼」について/イギリスでのポスト植民地アイデンティティ的亀裂の台頭/イギリスにおける移民の政治問題化、パウエルからUKIPまで/EUと大衆階級の深まる溝

第16章 社会自国主義──ポスト植民地的アイデンティティの罠
労働者の政党から高学歴者の政党へ――類似性と変種/戦後期の左派‐右派政党制崩壊を再考する/ポスト共産主義東欧における社会自国主義の台頭/社会自国主義の台頭――イタリアの場合/社会自国主義の罠とヨーロッパへの幻滅/民主党――成功した社会自国主義?/国際競争と市場自国主義イデオロギー/市場自国主義イデオロギーとその拡散/ヨーロッパにおける社会連邦主義の可能性について/国家を超える民主的空間の構築について/欧州議会の主権を各国議会の主権から構築する/信頼の再構築と共通の公正規範の促進/ヨーロッパの永続的な公的債務危機を終わらせる/債務の歴史をたどり、新たな解決策を探す/ヨーロッパの社会連邦主義的変革に向けた政治的条件/分離主義の罠とカタルーニャシンドローム/イデオロギー的不協和、税制ダンピング、小国シンドローム/社会地域主義の罠と超国民国家の構築/インドの政党システムと亀裂の形成/インドの政治的亀裂――階級、カースト、宗教/インドにおける階級主義的亀裂の台頭の難しさ/大衆階級の共通の運命についての認識/階級的亀裂、アイデンティティ的亀裂――インドにおける社会自国主義の罠/インドにおける階級的亀裂と再分配の未来――交差する影響力/ブラジルにおける格差の不十分な政治問題化/アイデンティティ的亀裂、階級的亀裂――境界と財産/ポピュリズム論争の袋小路と落とし穴

第17章 世紀の参加型社会主義の要素
参加と熟議としての公正/資本主義と私有財産の超克/企業内での権限共有――実験的な戦略/累進資産税と資本循環/資産の分散とユニバーサル資本支給/累進課税の三面構造――資産、相続、所得/累進課税への復帰と永続的土地改革/社会的、一時的所有権に向けて/一つの国における富の透明性/憲法に公正な税制を記述する/ベーシックインカムと公正賃金――累進所得税の役割/炭素排出の累進課税について/教育における公正規範の構築について/教育の偽善から脱却し、透明性を促進する/公正な民主主義――民主的平等性バウチャー/平等主義的で参加型の民主主義を目指して/公正な国境――社会連邦主義をグローバルな規模で考え直す/超国家的な公正に向けて/協力と引きこもりの狭間で――超国家的格差レジームの発達

結論
イデオロギーの闘争、そして公正の探究としての歴史/視線の脱西洋化の限界について/社会科学の市民的、政治的役割について

凡例
図表一覧/原注/索引

「本書で分析した経験に基づき、資本主義と私有財産を超克し、参加型社会主義と社会連邦主義に基づく公正な社会を確立することは可能だと、私は確信している。…それらが実に複雑だからこそ、あらゆる市民の過去の歴史と体験、さらに理性に基づいた広範で集合的な熟議だけが、問題解決に向けた進歩をもたらせる。結局のところ、本書の目的はたった一つしかない。市民が経済と歴史の知識を再び我が物にできるようにすることだ」(結論より)

収録図版見本

33ページ「はじめに」より

34ページ「はじめに」より

268ページ「第Ⅱ部 奴隷社会・植民地社会」より

資本とイデオロギー

著者:トマ・ピケティ /訳者:山形浩生・森本正史

書誌情報ページはこちら 

判型 A5判
頁数 1136頁
定価 6,930円 (本体:6,300円)
ISBN 978-4-622-09048-9
Cコード C0033
発行予定日 2023年8月22日
電子書籍配信開始日 2023年12月1日予定
ジャンル 経済学/政治学/世界史

 

推薦・レビュー

きわめて明晰、かつダイナミックな書だ。さまざまな歴史的経験を、息を呑むような研究で鳥瞰して、教訓を引き出している。
本書が教えてくれるのは、不可避なことなどないこと、そして、ハイパー資本主義と共産主義の惨禍のあいだには、
あらゆる可能性が開かれていることだ。未来を作るのはわれわれ次第だ。さあ、腕まくりしていこう。
――エステル・デュフロ(2019年ノーベル経済学賞受賞・『絶望を希望に変える経済学』)

格差史についての巨大な学術作品だ。
現代政治を鋭く分析し、とりわけ、ピケティの呼ぶ「バラモン左翼」の失敗と、社会主義的平等主義への急進的な新プログラムを示している。
――マーティン・ウルフ(『フィナンシャル・タイムズ』)

トマ・ピケティの本は常に記念碑的だ。……
『21世紀の資本』が経済学者の格差観を変えたのと同様に、『資本とイデオロギー』は政治学者の政治観を変えるだろう。
――ブランコ・ミラノヴィッチ(ニューヨーク市立大学教授、『プロマーケット』)

格差のプリズムを通して見た、壮大な経済発展史だ。
息を呑む学業であり、(ほぼ全地球を渉猟した)包括的で絢爛たる洞察だ。
――アルヴィンド・スブラマニアン(『フォーリン・アフェアーズ』)

トマ・ピケティによる壮大でグローバルな接続史は、過去500年にわたる目くるめく世界旅行に私たちを連れ出し、理念と政治の変遷が、いかにして多種多様な格差レジームを形成してきたかを教えてくれる。……
『資本とイデオロギー』に後押しされた私たちは、いま現在の可能性を新たに思い描くのだ。
――スヴェン・ベッカート(ハーヴァード大学教授)

書評・紹介情報

労働新聞で紹介されました
「「バラモン左翼」の由来は」(濱口 桂一郎・評)
2023年8月31日
沖縄タイムスで紹介されました
「格差解消、そのために」(記者のしおり)
2023年9月16日
週刊読書人で特集されました
「対談=山形浩生×片岡剛士『21世紀の資本』正統進化の書」
2023年10月6日
朝日新聞で紹介されました
「つくられた不平等の歴史に挑む」(神林龍・評)
2023年10月14日
日本経済新聞で紹介されました
「格差と財産権の歴史的動態」(岡崎哲二・評)
2023年10月14日
 
週刊東洋経済で紹介されました
「政治的に作られた「格差レジーム」、打破は可能か」(河野龍太郎・評)
2023年11月4日
 
webゲンロンで紹介されました
「労農派ピケティは「バラモン左翼」を乗りこえられるか」(梶谷懐・評)
2023年11月30日
 
週刊エコノミストで紹介されました
「格差を正当化するイデオロギーを相対化して公正な資本主義を目指すピケティ渾身の大冊」(諸富徹・評)
2023年12月8日(12/19号)
 
週刊ダイヤモンドの2023年「ベスト経済書」ランキングで第10位に選出されました
2023年12/23・30号
 
日本経済新聞「エコノミストが選ぶ経済図書ベスト10」(2023)で第6位に選出されました
2023年12月23日
 

試し読み!

本書から、著者による導入部分「はじめに」の一部を特別公開いたします

ピケティ『資本とイデオロギー』読書ガイド/山形浩生の「経済のトリセツ」

訳者・山形浩生氏による『資本とイデオロギー』の読書ガイドです。

https://cruel.hatenablog.com/entry/2023/09/18/043105

補遺(日本語版)

著者トマ・ピケティ氏のHPを、山形浩生氏が日本語に訳したページです

https://cruel.org/books/piketty/ideology/