みすず書房

今江祥智

いまえ・よしとも

1932年大阪市に生まれる。同志社大学文学部英文科卒業。中学校教師、編集者をしながら創作活動に入る。60年『山のむこうは青い海だった』(理論社)を刊行。68年京都に移り、聖母女学院短期大学で児童文学を講じる。50歳から執筆に専念。その間、67年には『海の日曜日』(実業之日本社)で産経児童出版文化賞、74年『ぼんぼん』(理論社)で日本児童文学者協会賞、77年『兄貴』(理論社)で野間児童文芸賞、96年『でんでんだいこ いのち』(片山健=絵、童心社)で小学館児童出版文化賞、2004年『いろはにほへと』(長谷川義史=絵、BL出版)で日本絵本賞を受賞。1999年紫綬褒章、2005年旭日小綬章受章、2008年エクソンモービル児童文化賞受賞。童話、絵本から長篇小説まで、ほのぼのとしたユーモアとほのかなペーソスにみちた多彩な作品で幅広い読者を得る一方、翻訳、評論、編集などさまざまな活躍をとおしても、生涯、子供の本の世界を広げることに力をつくし、2015年3月20日逝去。
1991年までの仕事は『今江祥智の本』全36巻(理論社)、『今江祥智童話館』全17巻(理論社)にまとめられている。みすず書房からは、評論集『幸福の擁護』(1996)、創作論・作家論(巻a)とそれにもとづくみずからの実作(巻b)をセットに編んだ『子供の本 持札公開』全2冊(2003)を刊行。『子供の本 持札公開』bから生まれた本に、『薔薇をさがして……』(宇野亜喜良=画、BL出版)、『なんででんねん 天満はん』(長新太=絵、童心社)、『オリーヴの小道で』(宇野亜喜良=画、BL出版)、『袂のなかで』(長新太=挿画、マガジンハウス)がある。月刊『みすず』読書アンケート特集にも毎年のように回答をよせてこられた。