みすず書房

吉田健一

よしだ・けんいち

1912年、東京生まれ。暁星中学校卒業後、ケンブリッジ、キングズ・カレッジに入学。帰国後アテネ・フランセ卒業。『文学界』を中心に評論を発表。1939年、伊藤信吉、山本健吉、中村光夫らと『批評』を創刊し、名義上の編集発行人となる。1949年より国学院大学非常勤講師として文学概論を講じ、1958年、大岡昇平らと季刊誌『声』を創刊、「英国の近代文学」「文学概論」などを連載。1963年より1969年まで中央大学文学部教授、英文学を講じる。1970年、『ヨオロツパの世紀末』(新潮社)で野間文芸賞受賞。以後、『瓦礫の中』(中央公論社、1970、読売文学賞・小説賞受賞)『絵空ごと』(河出書房新社、1971)『金沢』(河出書房新社、1973)『東京の昔』(中央公論社、1974)などの小説や独自のエッセーで多くの読者を得た。『覚書』(青土社)『時間』(新潮社)絶筆となった『変化』(青土社)などその極致といえよう。『思ひ出すままに』(集英社)を刊行した1977年8月、肺炎のため東京の自宅で逝去。