みすず書房

宮﨑かづゑ

みやざき・かづえ

1928(昭和3)年岡山生まれ。1938(昭和13)年12月末、10歳で国立療養所長島愛生園(現・岡山県瀬戸内市)入園。入園直後、注射針から雑菌が入り、左足の大手術をする。12-13歳頃、少年舎(子供の寮)がある「望ヶ丘」へ移る。愛生学園(園内の小学校)の尋常科3年生に編入学するが、治療や戦争のため学校に通えたのは正味2年であった。戦後、19歳のときに右足を切断。23歳で療友の宮﨑孝行氏と結婚。園内の購買部経理担当者等として働いていた夫を主婦として支える。80歳頃からワープロで文章を書きはじめる。医療者、職員への感謝の気持ちを込めて綴った親友の看取りの記「あの温かさがあったから生きてこれたんだよ」をきっかけに、料理研究家・辰巳芳子氏との交友が始まる。著書『長い道』(2012)『私は一本の木』(2016、ともにみすず書房)。