みすず書房

ハンス・ファラダ

Hans Fallada

1893-1947。本名ルドルフ・ディッツェン。司法官僚の息子としてグライフスヴァルトに生まれる。26歳で作家デビュー、グリムのメールヒェンから取ったハンス・ファラダのペンネームを名乗る。横領罪で服役後、地方新聞の記者として取材した農民の暴動をもとにした『農民、幹部ども、爆弾』(1931年)に続いて、大恐慌と不況に見舞われるドイツ人を描く1932年刊行の『ピネベルク、明日はどうする!?』(赤坂桃子訳、みすず書房)で一躍人気作家となる。その後、ナチスによって「望ましくない作家」に分類されながらも執筆は許され、反ユダヤ的な作品や国策映画の原案などの執筆命令などをうけて困難な執筆生活を続けた。アルコールおよび薬物依存、精神病院入院を経て、終戦を迎える。1946年に『ベルリンに一人死す』(赤根洋子訳、みすず書房)を書き上げた3ヶ月後に没した。