みすず書房

パトリック・ブロンテ

Patrick Brontë

ブロンテ姉妹の父。英国国教会牧師。1777年北アイルランドのダウン州のエムデイルに貧農の長男として生まれる。1806年ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジ神学部卒業。ウェザーズフィールド教会の牧師補を皮切りに各教区で聖職者としての仕事を真摯に続けるかたわら詩作を楽しみ、『草屋詩集』(1811)、『田舎詩人』(1813)等の詩集を出版。1812年ペンザンスの富裕な商人の娘マリア・ブランウェルと結婚。6人の子供(1男5女)に恵まれる。1820年前任地のソーントンからハワースの終身牧師に赴任。しかし、これを境にパトリックは84歳で他界するまで、家族の全員に先立たれ、アン以外の皆をみずからの手で葬るという過酷な運命の牧師となった。後年のパトリックはまさしく「悲しみの人」であったといえよう。