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破門の哲学

スピノザの生涯と思想

著者
清水禮子

1656年、まだ23歳の青年であったスピノザは、ユダヤ教会から破門を宣告され、ユダヤ人社会の外へ追放された。
スピノザの破門は、哲学史上の有名なエピソードではあるが、しかし、普通これは、あくまでも一つのエピソードとして簡単に軽く扱われ、破門とスピノザ哲学との深いつながりが、問題として取り上げられることはなかった。
本書の特色は、先ず第一に、哲学史家やスピノザ研究者が単に外的な出来事に過ぎぬものとして今日まで見落して来た1656年の破門を、スピノザの人生と哲学とを決定的に左右した大事件と看做し、これをスピノザ哲学を理解し直す上での重要な鍵としたことであり、第二に、破門という鍵を実際に用いて、スピノザ哲学の形成と変化のプロセスを、三つの主要な著作――『短論文』『知性改善論』『エチカ』――に即して具体的に示したことである。
本書は思想史への新鮮な挑戦であるが、同時に現代人の思考にも一つの起爆薬のような強烈な刺戟を与えるであろう。読者は思想と経験との関連について深い反省の機会を持つことになるであろう。


「破門の哲学」の著訳者:

清水禮子
しみず・れいこ
1935年東京に生れる。1960年東京大学文学部哲学科卒業。1966年同大学院博士課程修了。文学博士(東京大学)。現在青山学院大学文学部教授。専攻 哲学。論文 「理性の時代」(平凡社『思想の歴史』第8巻、1965年)、「スピノザの『知性改善論』について」(『思想』1967年4月号)、「破門と哲学」(『思想』1972年5月号)、"La methode et le donne"(Speculum Spinozanum, edited by S.HESSING, London, Routlege & Kegan Paul, 1977年)ほか。訳書 マックス・ヴェーバー『職業としての政治』(平凡社『世界教養全集』第15巻、河出書房新社『世界思想教養全集』第18巻、1962年)、ジョン・デューウィ『哲学の改造』(岩波文庫、1968年)、ハーバート・スペンサー「進歩について」他二編(中央公論社『世界の名著』第36巻、1970年)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

I 破門とスピノザ
II 開かれた円環
III 閉ざされた円環
IV 「与えられた」ものと哲学
凡例/註/後記
文献目録/人名索引

この本の関連書


「破門の哲学」の画像:

破門の哲学

「破門の哲学」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/312頁
定価 3,045円(本体2,900円)
ISBN 4-622-00393-7 C1010
1978年9月29日発行

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