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夜と霧
ドイツ強制収容所の体験記録
EIN PSYCHOLOG ERLEBT DAS KONZENTRATIONSLAGER
- 著者
- ヴィクトール・E・フランクル
- 訳者
- 霜山徳爾
本書は、みずからユダヤ人としてアウシュヴィッツに囚われ、奇蹟的に生還した著者の「強制収容所における一心理学者の体験」(原題)である。
「この本は冷静な心理学者の眼でみられた、限界状況における人間の姿の記録である。そしてそこには、人間の精神の高さと人間の善意への限りない信仰があふれている。だがまたそれは、まだ生々しい現代史の断面であり、政治や戦争の病誌である。そしてこの病誌はまた別な形で繰り返されないと誰がいえよう。」
(「訳者あとがき」より)
初版刊行と同時にベストセラーになり、約40年を経たいまもなお、つねに多くの新しい読者をえている、ホロコーストの記録として必読の書である。「この手記は独自の性格を持っています。読むだけでも寒気のするような悲惨な事実をつづりながら、不思議な明るさを持ち、読後感はむしろさわやかなのです」(中村光夫氏評)。
「夜と霧」の著訳者:
目次
出版者の序
解説
1 プロローグ
2 アウシュヴィッツ到着
3 死の蔭の谷にて
4 非情の世界に抗して
5 発疹チブスの中へ
6 運命と死のたわむれ
7 苦悩の冠
8 絶望との闘い
9 深き淵より
訳者あとがき
写真・図版
「解説」と「写真・図版」について
「解説」と「写真・図版」は1956年の『夜と霧』霜山徳爾訳初版の当時、日本の読者のために、ナチス・ドイツの強制収容所の組織的集団虐殺について一般的で客観的な予備知識が得られるよう、日本語版に独自に付されたものです。
「解説」は著者フランクルの本文に先立って置かれ、二段組み60頁余におよぶものです。
「本文はどこまでも一個人の体験から記述されたものであるため、これをさらに全体的に補うために、第二次世界大戦後イギリス占領軍の戦犯裁判法廷の法律顧問であったラッセル卿の記述によって強制収容所の全貌を示すこととしよう。(Lord Russel of Liverpool: The Scourge of the Swastika, London 1954.)」と書かれ、ついで強制収容所の組織はすでにドイツ国内で平和時から完成されドイツ国民の上に実施されてテストされてきていたこと、戦争中いかに占領地区の住民を恐れさせる手段として用いられ、数百万人を虐殺したか、そしていくつかの収容所の状態と生活とそこでの拷問はいかなるものだったかが、アウシュヴィッツ、ベルゼン、ブッヒェンワルト、ダッハウ、ノイエンガム、ラヴェンスブリュックに関し、詳細に述べられています。
「写真・図版」は45点の資料および地図1点を収めます。
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フランクル財団の設立、フランクル賞の創設
著者ヴィクトール・フランクルの没後、フランクル財団が設立され、フランクル賞が創設されました。
(フランクル財団http://logotherapy.univie.ac.at/)
(2006年の大賞には、心療内科医の永田勝太郎氏(浜松医大付属病院)が選ばれ、さきごろ2008年3月にウィーンで記念講演がなされたことが新聞等で報じられています。永田氏は30代で仕事に思い詰めたときにふと、学生時代に読んだ『夜と霧』が頭に浮かび、手紙を書くと返事がきて、招かれたウィーンへとんでいったのだそうです。それから亡くなるまでの十数年、休みがとれるたび会いにいき薫陶を受けた永田氏は、専門が細分化され臓器や細胞さらにDNAを診るようになっていく現代の医療・医学の傾向に抗し、全人的医療を提唱されています。
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書評情報
- 柳田邦男(ノンフィクション作家)
<2009年2月8日(日):読売新聞> - <2011年8月20日:信濃毎日新聞>
- <2012年8月4日(土):毎日新聞>
- <2012年7月21日:日本経済新聞>
- 小川洋子(作家)
<2012年11月号:月刊『文藝春秋』>
関連リンク
- 『夜と霧』不朽の翻訳――追悼・霜山徳爾 /news/topics/shimoyama.html
- トピックス「『夜と霧』から」――夏の読書のご案内 /news/topics/03970_5.html
- フランクル『夜と霧』は、毎年のように夏休みの読書感想文の自由図書にも選ばれ、そこから年々すばらしい作品が生みだされています。高校生のかたたちにぜひ読みつぎ、読みひろげていただきたいと、この数年つづけて夏になると、『夜と霧』からの読書案内をご用意しています。
この本の関連書
「夜と霧」の画像:
「夜と霧」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/216頁
- 定価 1,890円(本体1,800円)
- ISBN 4-622-00601-4 C0011
- 1985年1月22日発行






