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ヨブへの答え

ANTWORT AUF HIOB


旧約聖書の「ヨブ記」は、たえず人々の関心を引きつけてきた。行ないの正しいヨブが、なぜ子供を殺され、財産を失い、不治の病いにかからねばならなかったのか。しかも、サタンの誘いに神がのってヨブを試した結果として。

ユングの感受性は何よりもまず「ヨブ記」の異様な雰囲気に引き寄せられる。そこでは聖書の中で他に類を見ないことが起こっている。人が神に異を唱え、反抗しているのである。神との確執の中でヨブが見たものは、神の野蛮で恐ろしい悪の側面であった。ヨブは神自身でさえ気づいていない神の暗黒面を意識化したのである。

ここでユングは独創的な見解を打ち出す。神は人間ヨブが彼を追い越したことをひそかに認め、人間の水準にまで追いつかなければならないことを知った。そこで神は人間に生まれ変わらなければならない、というのだ。ここにイエスの誕生につながる問題がある。旧約と新約の世界にまたがる神と人間のドラマを、意識と無意識のダイナミックなせめぎあいを通して、ユングは雄大に描いている。「ユングの数ある著作の中でも最高傑作」と訳者が呼ぶのも至当であろう。


目次


好意的な読者へ

ヨブへの答え

原注
訳注
訳者解説
訳者あとがき


著訳者略歴

カール・グスタフ・ユング
Carl Gustav Jung

スイスのケスヴィルに牧師の子として生れる。バーゼル大学医学部卒業後、チューリッヒ大学の精神科でブロイラーの指導を受ける。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
林道義
はやし・みちよし

1937年長野県に生れる。1962年東京大学法学部卒業。1968年同大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博土。現在、東京女子大学教授。著書『ユング』(清水書院、1980『ユング心理学の応用』(みすず書房。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「ヨブへの答え」の画像:

ヨブへの答え

「ヨブへの答え」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/200頁
定価 2,376円(本体2,200円)
ISBN 4-622-01218-9 C1010
1988年3月10日発行

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