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アルトー/デリダ デッサンと肖像
DESSINS ET PORTRAITS
作家、俳優、演出家であり、ベルトルト・ブレヒトと並んで現代演劇の最も重要な理論家とされるアントナン・アルトーは、著作と演劇の仕事のために、1924年にはそれまで没頭していたデッサンを放棄した。1944年、画家であったドゥラングラットと出会ったアルトーは、ふたたび精力的にデッサンを開始する。パリにあるギャラリー・ピエールで1947年にひらかれた彼の最初の個展は、ジャコメッティやヴォルス、フォートリエ、デュビュッフェを囲む芸術家サークルの創造力に、地震のような衝撃をあたえた。同じ年、アルトーは、追い求めてやまなかったゴッホについての傑作『ヴァン・ゴッホ 社会が自殺させた者』を、精神病院内でわずか数日で書き上げている。1948年3月4日、イヴリーで直腸癌のため死去。51歳だった。
ここに初めて本の形となったアルトーのデッサン集は、アルトーの芸術的天才と狂気のしるしが、演劇やエクリチュールにまして、より直接的かつ刺戟的なさまで貫かれている。研ぎ澄まされた幻視、魔術的で知覚を超越した身体意識、精神的・肉体的な苦悩のしるしが、ここにある。
本書はただの画集ではない。アルトーの絵画に触発されて書き上げられた300枚におよぶジャック・デリダの文章は、デリダの論文でも最上であるばかりか、アルトーの絵画と鮮やかな照応関係を織り成している。類例をみないオブジェが、ここに誕生した。
「アルトー/デリダ デッサンと肖像」の著訳者:
- アントナン・アルトー
- Antonin Artaud
- 作家、俳優、演出家であり、ベルトルト・ブレヒトと並んで現代演劇の最も重要な理論家とされるアントナン・アルトーは、著作と演劇の仕事のために、1924年にはそれまで没頭していたデッサンを放棄した。この24年に、思考の不可能性を論じた『ジャック・リグィエールとの往復書簡』を発表、翌年には『冥府の臍』『神経の秤』を世に出し、文学活動の最初の頂点をきわめる。26年には<アルフレッド・ジャリ劇場>を組「残酷演劇」と呼ばれるアルトーの演劇論は、1931年におけるバリ島演劇のパリ公演を機縁とくに深まり、その成果は『演劇とその分身』(1938)に盛られることになる。1944年、画家であっがドゥラングラッドと出会ったアルトーは、ふたたび精力的にデッサンを開始する。パリにあるギャラリー・ピエールで1947年にひらかれた彼の最初の個展は、ジャコメッティやヴォルス、フォートリエ、デュビュッフェを囲む芸術家サークルの創造力に、地震のような衝撃をあたえた。同じ年、アルトーは、追い求めてやまなかったゴッホについての傑作『ヴァン・ゴッホ 社会が自殺させた者』を、精神病院内でわずか数日で書き上げている。1948年3月4日、イヴリーで直腸癌のため死去。ここに初めて本の形となったアルトのデッサン集は、アルトの芸術的天才と狂気のしるしが、演劇やエクリチュールにまして、より直接的かつ刺激的なさまで貫かれている。研ぎ澄まされた幻視、魔術的で知覚を超越した身体意識、精神的・肉体的な苦悩のしるしが、ここにある。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- ジャック・デリダ
- Jacques Derrida
- 1930年アルジェに生まれる。現在社会科学高等研究院教授。『エクリチュールと差異』(1967)に収められた「息を吹き入れられたことば」と「残酷劇と上演の封鎖」の二つのアルトー論は、画期的なものとして定評がある。60年代以降つねに時代に刺激を与えつづけているデリダは、1990年をすぎても続々と問題作を発表、Du droit A la philosophie(Galilee,1990),Memoires d’aveugle.L’autoportrait et autres ruines(Louvre、Reunion des musees nationaux,1990)、L’autre cap(Minuit,1991),Jacques Derrida(Seuil,1991)La Fausse Monnaie(Donner le Temps 1)(Galilee,1991)は小社より刊行の予定である。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- ポール・テヴナン
- Paul Thevenin
- ポール・テヴナンは1946年に初めてアルトーに出会った。アルトーの遺著管理人であり、ガリマール社から刊行中の『アルトー全集』の編者でもある。綿密な校訂と註釈を施した彼女の仕事は、高く評価されており、自身、アルトーについての著書を発表している。最新作にAutonin artaud,ce desespere qui nous parle(Seuil,1991)がある。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 松浦寿輝
- まつうら・ひさき
- 1954年東京に生まれる。1976年東京大学教養学部教養学科フランス科卒業。1980年同大学大学院仏語仏文学専攻修士課程修了。1981年パリ第三大学にて第三課程文学博士号取得(アンドレ・ブルトン研究による)。現在東京大学教養学部助教授。詩人。映画批評家。著書として、『口唇論――記号と官能のトポス』(青土社、1985)、『スローモーション』(思潮社、1987)、『映画n―1』(筑摩書房、1987)。詩集として、『ウサギのダンス』(七月堂、1982)、『冬の本』(青土社、1987)、『女中』(七月堂、1991)。訳書として、『ヴァレリー全集カイエ篇』第4巻(共訳、筑摩書房、1980)、ブレッソン『シネマグラフ覚書――映画監督のノート』(筑摩書房、1987)、ヴェンダース『エモーション・ピクチャーズ』(河出書房新社、1992)他。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
この本の関連書
「アルトー/デリダ デッサンと肖像」の画像:
「アルトー/デリダ デッサンと肖像」の書籍情報:
- B4変型判 タテ290mm×ヨコ230mm/276頁
- 定価 21,000円(本体20,000円)
- ISBN 4-622-01530-7 C3072
- 1992年4月9日発行
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