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構造人類学

ANTHROPOLOGIE STRUCTURALE


レヴィ=ストロースは、マルクスの有名な定式〈人間は自分の歴史をつくる。けれども歴史をつくっていることを知らない〉を引用し、前半の言葉で歴史学を、後半の言葉で民族学を正当化し、二つのアプローチは補完的で分ちがたいものであることを示しているといい、人類学の目的は、意識されない思惟の普遍的構造を明らかにし、人間への全体的考察に寄与することにあると述べている。

この目的を果すために、無意識な言語活動に音韻上の体系をもたらした構造言語学の成果や数学の変換理論を人類学に適用することは、レヴィ=ストロースによりはじめて、ひとつの力をもった方法として確立した。本書は、未開社会の親族関係、社会組織、宗教、神話、芸術に構造分析の軌跡を具体的に例示した、構造主義人類学のマニフェストというべき画期的論文集。後半の諸章における人類学の方法と人類学教育の現状と未来についての考察も、きわめて示唆に富むものである。

〈レヴィ=ストロースは、創造的芸術家や精神分析の冒険者と同じ精神行為を内包する、トータルな仕事としての人類学を創造した。〉(スーザン・ソンタグ)


「構造人類学」の著訳者:

クロード・レヴィ=ストロース
Claude Levi-Strauss
1908年ベルギーに生れる。両親はフランス国籍のユダヤ人。幼少時より動植物の観察や蒐集に興味をもつ。1927-30年パリ大学法学部と文学部に在籍。1931年哲学教授資格を得る。3人一組の教育実習ではボーヴォワール、メルロ=ポンティといっしょになり親交を結ぷ。1933年ローウィーの『未開社会』から感銘をうけ民族学と人類学に関心をもつ。1935-38年新設のサン・パウロ大学社会学教授として赴任、その間人類学の研究をはじめる。1941年アメリカに渡りNew School for Social Researchで文化人類学の研究に従事。1942年亡命中のロマーン・ヤーコブソンを知り、言語学、とくに構造言語学の影響をうける。1959年以来コレージュ・ド・フランスの正教授となり、社会人類学の講座を創設する。主著は本書の他に『親族の基本構造』(1949、番町書房、1977-78)『人種と歴史』(1952、みすず書房、1970)『悲しき熱帯』(1955、中央公論社、1967)『今日のトーテミスム』(1962、みすず書房、1970)『野生の思考』(1962、みすず書房、1976)『神話論理』(4部作、1964-71)『はるかなる視線』(1983、みすず書房、1986-88)『やきもち焼きの土器つくり』(1985、みすず書房、1990)『ブラジルヘの郷愁』(1994、みすず書房、1995)『神話と意味』(1978、みすず書房、1996)「狂牛病の教訓――人類が抱える肉食という病理」(『中央公論』2001年4月号、川田順造訳)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
荒川幾男
あらかわ・いくお
1926年生。東京大学文学部哲学科卒業。元東京経済大学教授。著書『三木清』(紀伊國屋書店、1968)。訳書 ヒューズ『意識と社会』(1970)同『ふさがれた道』(1970)同『大変貌』(以上共訳、1978)レヴィ=ストロース『人種と歴史』(1970)マーティン・ジェイ『弁証法的想像力』(以上、みすず書房、1975)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
生松敬三
いきまつ・けいぞう
1928年生。東京大学文学部哲学科卒業。元中央大学教授。1984年歿。著書『思想史の道標』(勁草書房、1965)『書物渉歴』(みすず書房、1984)。訳書 カッシーラー『象徴形式の哲学』(竹内書店、1972)ウェルズ『影のなかのロシア』(共訳、みすず書房、1978)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
川田順造
かわだ・じゅんぞう
1934年生。東京大学教養学部教養学科卒業。現在神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科教授・日本常民文化研究所所員。著書『無文字社会の歴史』(岩波現代文庫、2001)『口頭伝承論』I、II(平凡社ライブラリー、2001)ほか。訳書 レヴィ=ストロース『悲しき熱帯』I、II(中公クラシックス、2003)『ブラジルへの郷愁』(みすず書房、1995)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
佐々木明
ささき・あきら
1934年生。東京大学教養学部教養学科卒業。青山学院大学名誉教授。著書『スタンダード和仏辞典』(共著、大修館、1971)『新スタンダード和仏辞典』(共著、大修館、1987)。訳書 フーコー『言葉と物』(新潮社、1974)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
田島節夫
たじま・さだお
1925年生。東京大学文学部哲学科卒業。東京都立大学名誉教授。著書『構造主義と弁証法』(せりか書房、1968)。訳書 ベルグソン『物質と記憶』(白水社、1965)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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構造人類学

「構造人類学」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/488頁
定価 6,930円(本体6,600円)
ISBN 4-622-01971-X C3010
1972年5月30日発行

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