みすず書房

一般理論経済学 1

遺稿による『経済学原理』第2版

GRUNDSATZE DER VOLKSWIRTSCHAFTSLEHRE

判型 A5判
頁数 304頁
定価 5,500円 (本体:5,000円)
ISBN 978-4-622-02043-1
Cコード C3033
発行日 1982年8月26日
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一般理論経済学 1

「メンガーは、学問の歴史を画した決定的な業績を主張しうる思想家のひとりであった」とJ.シュムベーターはいった。その業績とは1871年に刊行された『経済学原理』初版のことであり、価格現象を個人による財の主観的な価値評価という点から体系的に解明した最初の試みであった。
しかしメンガーその人は、初版刊行後自著の理論的枠組を大きく書きかえる作業を開始し、没年(1921年)にいたるまでその作業を続け、そのために初版『原理』の再刊や翻訳の申し出はすべて拒否しつづけたのである。彼はみずから樹立したひとつの説明原理を、より広い視野のもとで、人間の生活自体の中に位置づけ直そうと苦闘を重ねたが、その没後、第2版として刊行されたのである。
メンガーは人間にとって〈欲望〉とは何か、〈経済〉とは何なのか、と問いかけている。そして市場経済のみならず、非市場経済をも含めた〈経済〉そのものの学を、〈普遍的・一般的な経済の学〉として構築しようとした。
経済学のパラダイムの転換が叫ばれる今日、われわれは老メンガーとともに、〈経済〉とは何なのかという根本的な問いに、再び立ち戻らねばならないであろう。

目次

メンガー遺著の初訳本刊行にあたって
序文
編者による案内
初版への序言

1 欲望の理論
2 財の一般理論
3 人間の欲望および財の度量〔マース〕について
4 経済と経済的財の理論
5 価値の理論

初版との異同(2-1章)