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サリヴァンの生涯 1

PSYCHIATRIST OF AMERICA


20世紀最大のアメリカの精神科医サリヴァンの生涯、とくにその前半生は、ほとんど謎であった。彗星のように現われ、薬物のない時代に貧しい人びとを中心とする分裂病者の精神療法に手をつけ、数百人の患者について、かなりの比率の成功を収めながら、その仕事は神話化され凍結されてしまう。世界平和を願い、国際会議出席のためパリに客死するまで、彼の伝記的事実についても、仕事の全貌についてもヴェイルに蔽われたままであった。人びとはサリヴァンについて沈黙をまもった。しかしアメリカカ動精神医学の全盛期であった1950-60年代を通じて“サリヴァンは闇の帝王としてアメリカ精神医学界に君臨していた”。
本書の著者ペリー女史は、サリヴァンの雑誌『サイカイアトリー』の常任編集者であり、晩年の彼のよき聞き役であり、その後、彼の遺稿の整理、編集、刊行の実施責任者を長くつとめた社会心理学者である。サリヴァンの死後はやくから1960年代にわたって、その生地や知己をたずね、詳細な資料を収集した。サリヴァンを知る少数の人がほとんど世を去ったいま、直接彼を知る者による伝記が今後書かれることはないであろう。
第一巻では彼のルーツ、アイルランド系移民の苦闘から、公的には前半生のハイライト、シェパード病院時代まで、私的には母との死別までを扱う。ジョーンズの『フロイトの人と業績』とならぶ圧巻である。


「サリヴァンの生涯 1」の著訳者:

ヘレン・S・ペリー
Helen S. Perry
ワシントン精神医学校で個人精神分析のコースをとり、1946年よりサリヴァンの秘書、またサリヴァンの雑誌『サイカイアトリー』の常任編集者となる。サリケアン全遺著の編集実務責任者。サリヴァンの死後はやく伝記的事実の収集につとめる。また社会心理学者として1966-67年、カリフォルニアのヒッピーの群の「関与的観察」を行い『ザ・ヒューマン・ビー・イン』を出版。ヒロシマの心理的インパクトについての論文もある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
中井久夫
なかい・ひさお
1934年奈良県に生れる。京都大学医学部卒業。現在甲南大学文学部人間科学科教授。著書『分裂病と人類』(東京大学出版会、1982)『精神科治療の覚書』(日本評論社、1982)『中井久夫著作集―橋神医学の経験』全6巻別巻2(岩崎学術出版社、1984-91)『最終講義―分裂病私見』(みすず書房、1998)『西欧精神医学背景史』(みすず書房、1999)『治療文化論』(岩波書店、1990、2001)『看護のための精神医学』(医学書院、2001)、エッセイ集『清陰星雨』(みすず書房、2002)など。訳書にエレンベルガー『無意識の発見』上下(共訳、弘文堂、1980)のほか、みすず書房からはサリヴァン『精神医学の臨床研究』『楕神医学的面接』『精神医学は対人関係論である』『分裂病ほ人間的過程である』、ハーマン『心的外傷と回復』、バリント『一次愛と精神分析技法』、『エランベルジェ著作集』(全3巻)、パトナム『解離』などのほか、『現代ギリシャ詩選』『カヴァフィス全詩集』ヴァレリー『若きパルク/魅惑』などが刊行されている。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
今川正樹
いまかわ・まさき
1945年兵庫県に生れ育つ。神戸大学医学部卒業。現在兵庫県立尼崎病院神経科勤務。論文「分裂病の血球中のビタミンE価について」(1987)「市接後ブロック構成について」(共著、1985)など。詩集『脳の比喩』(1985)ほか3冊。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「サリヴァンの生涯 1」の画像:

サリヴァンの生涯 1

「サリヴァンの生涯 1」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/368頁
定価 6,300円(本体6,000円)
ISBN 4-622-02194-3 C3047
1985年10月25日発行

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