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モンテーニュとメランコリー

MONTAIGNE AND MELANCHOLY


モンテーニュといえば、沈着冷静な哲学の権化として思われがちだが、事実はそうでない。彼が精神の平衡をなしとげ、それによってユマニスムの思想家の中で完璧な模範となっているとしても、もともと彼の気質は当時で言うところの多血質で憂うつ質だった。ということは、『エセー』の成熟もまた、憂うつ気質の攻撃にたいする闘争の成果だったのだ。
本書は、『エセー』の範囲と目的を再吟味して、モンテーニュが自らの憂うつ気質の舵をいかに取って、適切な心理的水路にみちびき、肉体と精神のバランスをもとめつづけ、詩人タッソのような天才にも影響をおよぼした狂気を回避しようとしたか、それを説得的に示してくれる。
「『エセー』評価に新鮮な一ページを開くものだ。熱気にみちた簡明なことば遣いで、若い人びとに語りかける熟年のもの言いで、ひとりの友人が他の友人にひとりの共通の親友のすがたを浮かびあがらせる調子で、書かれている」(マルク・フュマロリ)。
「メランコリアという観念が古代からもっている両義性を、モンテーニュがいかにして自力で解明したか、高感度の探査をおこなっている」(ロイ・ポーター)。


「モンテーニュとメランコリー」の著訳者:

マイケル・A・スクリーチ
Michael Andrew Screech
1926年生まれ。1971年から84年まで、ロンドン大学のフランス語フランス文学のフィールデン・プロフェッサー。1984年よりオックスフォード大学オール・ソウルズ・カレッジのシニアー・リサーチ・フェロー、その後エメリタス・フェローとして現在にいたる。英国学士院、王立文芸協会会員。著書は本書の他に、L’Evangelisme de Rabelais(1959), Rabelais(1979), Ecstasy and the Praise of Folly(1981)など。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
荒木昭太郎
あらき・しようたろう
1930年生まれ。1953年、東京大学文学部フランス文学科卒業。東京大学教養学部教授を経て、現在、東洋英和女学院大学社会科学部教授。専攻はモンテーニュを中心とするフランス・ルネサンス期文学。著書『人類の知的遺産 モンテーニュ』(講談社、1985)、『モンテーニュ遠近』(大修館書店、1987)ほか。訳書 オーロット『モンテーニュとエセー』(白水社、1982)、ブールニケル『ショパン』(音楽之友社、1994)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「モンテーニュとメランコリー」の画像:

モンテーニュとメランコリー

「モンテーニュとメランコリー」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/376頁
定価 4,515円(本体4,300円)
ISBN 4-622-03076-4 C1010
1996年10月16日発行

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