帝国の時代 1
1875-1914
THE AGE OF EMPIRE
ホブズボームの19世紀三部作が、いよいよ全容を現す。『革命の時代』『資本の時代』に引き続き、ここに刊行される『帝国の時代』が掉尾を飾る。フランス革命(1789年)から第一次世界大戦勃発(1914年)に至る「長い19世紀」をパノラマのように展望する壮大な試みは、本書でクライマックスを迎えた。
「帝国の時代」は、地球の表面積の4分の1がほんのひと握りの国々の間で植民地として分配ないしは再分配された時代である。このいわゆる帝国主義の時代の様相を、著者は流麗な筆致と新鮮な視角で重層的に描き出す。それは豊富な事実と数字に裏打ちされ、視野はアフリカ、ラテン・アメリカ、インド、中国、日本に及ぶ。
時代は経済面では、家族経営の小さな会社から、雇われ経営者と事務職・技術者によるビッグビジネスに変わりつつあった。自動車や飛行機、無線電信、蓄音機、映画が姿を現わし、大量消費の時代の幕が開こうとしていた。しかしこの時、ブルジョワジーは存立の危機に瀕していたいたのである。その伝統的道徳的基盤は自らの蓄積した冨の影響下で崩れ去ろうとしていた。また、労働者階級の大規模な組織運動も台頭する。進歩と文明の名の下にブルジョワジーが、ブルジョワジーのために作り出した世界に「奇妙な死」が迫っていた。
歴史の大きな流れと細部への眼が行きとどいた待望の邦訳である。
「帝国の時代 1」の著訳者:
- エリック・ジョン・ホブズボーム
- Eric John Hobsbawm
- 1917年アレクサンドリアに生れる。1932年ベルリンに移住。1933年イギリスに移住。1936年イギリス共産党に入党。1939年ケンブリッジ大学で学位を取得。1947年ロンドン大学バークベック・カレッジのレクチャラー、1959年リーダー、1970年教授(社会経済史)、1982年名誉教授。著書は『市民革命と産業革命』(岩波書店、1968)『イギリス労働運動史研究』(ミネルヴァ書房、1968)『共同体の経済構造』(未來社、1969)『反抗の原初形態』(中央公論社、1971)『匪賊の社会史』(みすず書房、1972)『イタリア共産党との対話』(共著、岩波新書、1976)『革命家たち』(未來社、1978)『反乱と革命』(未來社、1979)『産業と帝国』(未來社、1984)『20世紀の歴史―極端な時代』(全2巻、三省堂、1996)などが邦訳されている。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 野口建彦
- のぐち・たけひこ
- 1941年東京に生れる。1965年慶應義塾大学経済学部卒業。同大学院経済学研究科博士課程を経て、現在、日本大学経済学部教授。1978-80、86-87年東京大学教養学部講師、96年慶應義塾大学講師、1980-81年ケンブリッジ大学クレアホール・カレッジ客員研究員、96年ケンブリッジ大学ペンブルック・カレッジ客員研究員、訳書K.ポラニー『大転換』(共訳、東洋経済新報社、1975)B.センメル『社会帝国主義史』(共訳、みすず書房、1982)T.C.オーウェン『未完のブルジョワジー――帝政ロシア社会におけるモスクワ商人の軌跡、1855-1905年』(共訳、文眞堂、1988)。主論文「二つの帝国主義とオットマン帝国の解体」(入江節次郎編『講座西洋経済史III 帝国主義』同文館、1980、所収)「カール・ポラニー再考」(岩波書店『思想』1995年6月号、所収)「中央銀行と国民経済の危機」(『大航海』1999、No.27,4所収)。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 野口照子
- のぐち・てるこ
- 1942年天津に生れる、1965年東京女子大学文理学部卒業。訳書B.センメル『社会帝国主義史』(共訳、みすず書房、1982)。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
この本の関連書
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「帝国の時代 1」の書籍情報:
- A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/248頁
- 定価 5,040円(本体4,800円)
- ISBN 4-622-03488-3 C1020
- 1993年1月8日発行