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鶴見良行著作集 7

マングローブ


「東南アジアの文化の原型は、海辺の沼地にあるのではないか」――本巻には、著者言うところの〈長篇歴史ルポルタージュ〉三部作(他の二作は『マラッカ物語』〈第5巻〉と『ナマコの眼』〈第9巻〉)の中核をなす傑作『マングローブの沼地で』とその関連エッセイほかを収める。

筆は、フィリピン・ミンダナオ島、海辺の沼地を歩くところから書き起こされる。スペインの植民地支配との闘いを語る迫真の叙述はさらに南へと転じ、スルー、ボルネオ、サラワクの歴史の風景へとゆるやかに拡がっていく――「島嶼東南アジアは、中央集権制への欲望をあまり持たないばらばらの村落だった」。

移動分散型社会に暮らす人びとの歴史と現状を鮮やかに描く『マングローブ…』に加え、「男の手料理」「民間学についての断章」など、著者の魅力的な横顔がのぞくエッセイを満載し、一冊に編んだ。


「マングローブ」の著訳者:

鶴見良行
つるみ・よしゆき
1926年、アメリカ合州国カリフォルニア州ロスアンゼルス生まれ。外交官の父の仕事にともない、少年時代、ワシントン、ポートランド、ハルピンなどで在外生活経験を重ねる。水戸高校を経て東京大学法学部を卒業。55年より財団法人・国際文化会館に勤務(~86年)、その傍ら「思想の科学」誌他への執筆活動を始める。65年「ベトナムに平和を!市民連合」(ベ平連)発足に関わり、前後して頻繁なアジア行、研究を深める。73年「アジア太平洋資料センター」(PARC)設立メンバーの一人となり、80年から81年にかけて『アジア人と日本人』『アジアを知るために』『マラッカ物語』の連続刊行を通し、独自なアプローチによるアジア探究者として、旺盛な研究活動を本格化させた。82年『バナナと日本人』、90年『ナマコの眼』などの代表作によって、世に〈稀有な旅人であり自由奔放な知識人〉としての「鶴見良行」スタイルを、鮮烈に刻み付けた。89年より龍谷大学経済学部教授。94年、『ココス島奇譚』執筆中に京都の自宅にて急逝。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
花崎皋平
はなざき・こうへい

この本の関連書


「マングローブ」の画像:

マングローブ

「マングローブ」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/464頁
定価 7,875円(本体7,500円)
ISBN 4-622-03817-X C1336
1999年6月22日発行

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