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逆転移 2

分裂病精神療法論集

COUNTERTRANSFERENCE AND RELATED SUBJECTS


今日の精神医学の最大の課題の一つは、《慢性》分裂病の問題である。サールズはその精神療法の最も信頼できる権威の一人として、おそらく世界で最も広く読まれるにいたった。

彼の論集は、何よりも〈逆転移〉、すなわち、患者に対して、意識するにせよ無意識にせよ、治療者の側に生じる態度と感情に注目する。治療者はこの自らの心理的反応が、それがいかに個人的なものと見えようと、患者の生活史にきわめて重要であることを常に認める謙虚さを必要とする。それは治療要因としてとして不可欠ですらある、とサールズは主張する。

このすぐれて臨床的な論集には、また実に多くの先駆的・理論的観念が紹介されている。ことに第2巻では、なかでも独創的な〈治療的共生〉の観念が扱われている。分析家と嵐のごとき治療関係にある患者たち――境界例、分裂病、ナルシズム、重度の神経症のさまざまの精神力動が示される。それは、精神分析および精神医学の原理論への大いなる寄与であるとともに、分析と治療の実際に携わる人々へのアドヴァイスとしてきわめて有用であろう。


「逆転移 2」の著訳者:

ハロルド・F・サールズ
Harold F. Searles
1918年生。アメリカ東部ニューヨーク州北部のキャッツキル山地で育った。1943年ハーヴァード大学医学部卒業。1944-51年、ニューヨークホスピタルで一般研修を受けた。内科医として出発したがやがて精神科医に転向し、1950年頃から64年はじめまで、チェスナット・ロッジ病院のスタッフであった。この15年の分裂病者の治療体験が本書に結実している。現在、ワシントン近郊べゼスダで、個人精神療法のオフィスを持ち分析治療を行なっている。著書には、本書のほかに『ノンヒューマン環境論』(1960、邦訳、みすず書房)『精神分裂病論文集』(1965)『境界例患者との私の仕事』(1986)がある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
田原明夫
たはら・あきお
1940年に生まれる。1967年、京都大学医学部卒業。現在、京都市立病院精神神経科部長。専攻、病院・地域精神医学。『Rehab――精神科リハビリテーション行動評価尺度』(共訳、三輪書店、1994)
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「逆転移 2」の画像:

逆転移 2

「逆転移 2」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/248頁
定価 5,565円(本体5,300円)
ISBN 4-622-04086-7 C3047
1995年6月30日発行

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