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文学シリーズ lettres

黒いピエロ

LE PIERROT NOIR


「メリー・ゴーラウンド、子供たちがロケットで旅する火星人さながらの異様な恰好で、飽きもせず何度もぐるぐる回っているその情景を前にして、ひとは失敗したおのれの人生に涙する時間がたっぷりあるというものだ。」

デブのジャルル・メルランは軽率さのために身を誤った、とこの小説の語り手はいう。
「だがわが身をふりかえれば、私自身もまた例の陰気な宿命論によって、ほぼ同じ結末にみちびかれたのだ・・」

フランスの小さな町に育つ男女は、思春期を過ごし戦争を生き抜く。甘く切ない思い出と、失われた愛、そして裏切り、秋が深まるたびにこの町に立つサン=マルタンの縁日には「黒いピエロ」の姿があわられる。

日本でも『チェーホフの感じ』『フラゴナールの婚約者』で愛読者を得た作家が、自分でいちばん気に入っているという本書は、移りゆく季節をフーガのように語り、人生の苦い真実をとらえた小さな傑作である。


「黒いピエロ」の著訳者:

ロジェ・グルニエ
Roger Grenier
1919年、カーンに生まれ、ポーで育つ。戦後カミュにさそわれ「コンパ」紙で働く。「フランス・ソワール」紙編集部を経てガリマール書店文芸顧問。著書『シネロマン』(1973・邦訳・白水社・1977)、『水の鏡』(1976・邦訳・白水社・1984)、『編集室』(1977・邦訳『夜の寓話』・白水社・1992)、エッセイ『降る雪を見よ』(1992・邦訳『チェーホフの感じ』・みすず書房・1993)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
山田稔
やまだ・みのる
1930年、門司に生まれる。作家。著書『スカトロジア』(福武文庫)、『コーマルタン界隈』(芸術選奨文部大臣賞、河出書房新社)、『生の傾き』、『太陽の門をくぐって』(以上、編集工房ノア)、『シネマのある風景』(みすず書房)、『ああ、そうかね』(日本エッセイスト・クラブ賞、京都新聞社)ほか。訳書 ゾラ『ナナ』(河出書房新社)、アレー『悪戯の愉しみ』、『フィリップ傑作短篇集』(以上、福武文庫)、『フランス短篇傑作選』(岩波文庫)、グルニエ短篇選集『フラゴナールの婚約者』(みすず書房)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「黒いピエロ」の画像:

黒いピエロ

「黒いピエロ」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/152頁
定価 2,415円(本体2,300円)
ISBN 4-622-04674-1 C0097
1999年1月14日発行

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