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フィンランド駅へ 上

革命の世紀の群像

TO THE FINLAND STATION

A Study in the Writing and Acting of History


第一次世界大戦中の1917年4月、レーニンは亡命先のスイスで「ロシア革命、勃発」の報を受け、「封印列車」に乗って、ペトログラードの「フィンランド駅」まで戻ってきた。そして駅前を埋めた数万の労働者を前に最初の演説をする。
それに続く一連のできごとは、20世紀の運命を決した。しかし「フィンランド駅」を一つの頂点とする“革命の伝統”は、いつ、どこで、誰によって、用意されたのか、これが本書のテーマである。
すべては、19世紀前半のフランスの歴史家ミシュレが「ヴィーコを発見したこと」に始まった、とウィルソンはいう。ヴィーコはその100年も前に「人間の社会は人間の創造物で、神の恩籠ではない」と考えた哲学者だった。それ以降、「社会を変革する」思想の伝統は、テーヌ、ルナン、アナトール・フランスに育まれ、さらに初期の社会主義者たち――サン=シモン、バブーフ、フーリエ、オウエン、アメリカの社会主義者たち――に受け継がれ、そしてついにはマルクスとエンゲルスの独自の革命思想にいたる。
ウィルソンは今世紀アメリカの卓越した批評家。ヴァレリー、ベンヤミンとともに、世界の三大批評家の一人とさえいわれる。彼の代表作の一つが、今ようやく日本に紹介される。


目次


I
1 ミシュレ、ヴィーコを発見する
2 ミシュレと中世
3 ミシュレとフランス革命
4 歴史を生きるミシュレ
5 国民主義と社会主義のはざまに立つミシュレ
6 革命の伝統の衰退 ルナン
7 革命の伝統の衰退 テーヌ
8 革命の伝統の衰退 アナトール・フランス
II
1 社会主義の起源 バブーフの弁明
2 社会主義の起源 サン=シモンのヒエラルキー
3 社会主義の起源 フーリエとオウエンの協同体
4 社会主義の起源 アンファンタンとアメリカの社会主義者たち
5 カール・マルクス プロメテウスにてルシファー
6 マルクス、世界の変革を思い立つ
7 フリードリヒ・エンゲルス マンチェスターの若者
8 マルクスとエンゲルスの共同作業
9 マルクスとエンゲルス レンズZを磨く
10 マルクスとエンゲルス 歴史を変える
11 弁証法の神話
12 歴史の記述に立ち戻るマルクスとエンゲルス
13 歴史を演ずる者 ラサール
訳注


著訳者略歴

エドマンド・ウィルソン
Edmund Wilson

1895年ニュージャージー州に生まれる。1916年、プリンストン大学卒業。スコット・フィッツジェラルドと同期。第一次世界大戦に従軍後、雑誌『ヴァニティ・フェア』『ニュー・リパブリック』の編集に参加。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
岡本正明
おかもと・まさあき

1960年、東京都に生まれる。1986年、東京都立大学人文学部修士課程修了(アメリカ文学専攻)。現在 中央大学法学部教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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フィンランド駅へ 上

「フィンランド駅へ 上」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/384頁
定価 4,860円(本体4,500円)
ISBN 4-622-04678-4 C1098
1999年6月25日発行

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