「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



フィンランド駅へ 上

革命の世紀の群像

TO THE FINLAND STATION


第一次世界大戦中の1917年4月、レーニンは亡命先のスイスで「ロシア革命、勃発」の報を受け、「封印列車」に乗って、ペトログラードの「フィンランド駅」まで戻ってきた。そして駅前を埋めた数万の労働者を前に最初の演説をする。
それに続く一連のできごとは、20世紀の運命を決した。しかし「フィンランド駅」を一つの頂点とする“革命の伝統”は、いつ、どこで、誰によって、用意されたのか、これが本書のテーマである。
すべては、19世紀前半のフランスの歴史家ミシュレが「ヴィーコを発見したこと」に始まった、とウィルソンはいう。ヴィーコはその100年も前に「人間の社会は人間の創造物で、神の恩籠ではない」と考えた哲学者だった。それ以降、「社会を変革する」思想の伝統は、テーヌ、ルナン、アナトール・フランスに育まれ、さらに初期の社会主義者たち――サン=シモン、バブーフ、フーリエ、オウエン、アメリカの社会主義者たち――に受け継がれ、そしてついにはマルクスとエンゲルスの独自の革命思想にいたる。
ウィルソンは今世紀アメリカの卓越した批評家。ヴァレリー、ベンヤミンとともに、世界の三大批評家の一人とさえいわれる。彼の代表作の一つが、今ようやく日本に紹介される。


「フィンランド駅へ 上」の著訳者:

エドマンド・ウィルソン
Edmund Wilson
1895年ニュージャージー州に生まれる。1916年、プリンストン大学卒業。スコット・フィッツジェラルドと同期。第一次世界大戦に従軍後、雑誌『ヴァニティ・フェア』『ニュー・リパブリック』の編集に参加。その後『ニューヨーカー』誌の書評主幹を務める。詩、演劇、旅行記、美術、社会、政治と、多岐にわたるテーマで、ッセイ、書評、ルポルタージュを執筆。20世紀アメリカ批評界の中心的な存在となる。自らも小説・詩・戯曲作品を発表した。1972年歿。邦訳された主要著作として『アクセルの城』(1931、ちくま学芸文庫2000)、『フィンランド駅へ』(1940、全2巻・みすず書房1999)、『森林インディアン イロクォイ族の戦い』(1960、思索社1991)、『愛国の血糊――南北戦争の記録とアメリカの精神』(1962、研究社出版1998)、『死海写本――発見と論争1947-1969』(1969、新装版・みすず書房1995)、『エドマンド・ウィルソン批評集』1・2(みすず書房2005)などがある。また作家ナボコフとの往復書簡でも名高い(『ナボコフ=ウィルソン往復書簡集:1940-1971』作品社2004)も。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
岡本正明
おかもと・まさあき
1960年、東京都に生まれる。1986年、東京都立大学人文学部修士課程修了(アメリカ文学専攻)。現在 中央大学法学部教授。著書 『批評理論とアメリカ文学――検証と読解』(共著、中央大学出版部1995)『アメリカ史の散歩道』(中央大学出版部2002)『小説より面白いアメリカ史』(中央大学出版部2005)『20世紀文学と時間――プルーストからガルシア=マルケスまで』(近代文芸社2007)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

I
1 ミシュレ、ヴィーコを発見する
2 ミシュレと中世
3 ミシュレとフランス革命
4 歴史を生きるミシュレ
5 国民主義と社会主義のはざまに立つミシュレ
6 革命の伝統の衰退 ルナン
7 革命の伝統の衰退 テーヌ
8 革命の伝統の衰退 アナトール・フランス
II
1 社会主義の起源 バブーフの弁明
2 社会主義の起源 サン=シモンのヒエラルキー
3 社会主義の起源 フーリエとオウエンの協同体
4 社会主義の起源 アンファンタンとアメリカの社会主義者たち
5 カール・マルクス プロメテウスにてルシファー
6 マルクス、世界の変革を思い立つ
7 フリードリヒ・エンゲルス マンチェスターの若者
8 マルクスとエンゲルスの共同作業
9 マルクスとエンゲルス レンズZを磨く
10 マルクスとエンゲルス 歴史を変える
11 弁証法の神話
12 歴史の記述に立ち戻るマルクスとエンゲルス
13 歴史を演ずる者 ラサール
訳注

この本の関連書


「フィンランド駅へ 上」の画像:

フィンランド駅へ 上

「フィンランド駅へ 上」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/384頁
定価 4,725円(本体4,500円)
ISBN 4-622-04678-4 C1098
1999年6月25日発行

この本を購入する