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この私、クラウディウス

I, CLAUDIUS


生まれついての病身で吃音症、貧弱な肉体に足をひきずり、母からうとまれ歴史研究にうちこみ、誰にもかえりみられなかったこの人、クラウディウス。ところがカエサル、アウグストゥスの後継をめぐって有力候補が次々と抹殺されていくなかを、彼はひとり生きのびて、とうとう自分でさえ思いもかけない最高位に登りつめる。渦巻く陰謀、なみいる悪女たち。豪放な笑いにみちた目くるめく古代ローマの世界。

謎の多い実在の第四代ローマ皇帝クラウディウスが、ギリシア語で書いた34巻立ての自伝、という体裁のこの作品。実の作者は20世紀を代表する詩人・小説家・評論家・神話学者、ロバート・グレーヴズである。日本語訳はなぜか少ないのだが、多作な作家で、ことに本書は1934年の初版以来、世界的ベストセラーとして読みつがれている。ふたつの文学賞を受賞したほか、1976年にはBBC放送が連続テレビドラマを制作、現在はビデオ化されて親しまれてもいる。ローマ史専門家のあいだでは、タキトゥスとスエトニウスをはじめ厖大な資料にもとづく考証の確かさも定評がある。が、なにはともあれ、華麗なる傑作歴史小説の待ちに待った翻訳なのである。


「この私、クラウディウス」の著訳者:

ロバート・グレーヴズ
Robert von Ranke Graves
1895-1985。ロンドン郊外のウィンブルドンに生まれ、チャーターハウス校在学中に詩作をはじめる。1914年第一次世界大戦勃発とほぼ同時に陸軍入隊。従軍中の1916年に最初の詩集Over the Brazierを出版。1919年オックスフォード大学セント・ジョーンズ・コレッジに入学して英文学を専攻。1926年カイロの王立エジプト大学に英文学教授として赴任するが、1年で辞任。1929年から地中海のマヨルカ島で創作活動に没頭し。自叙伝Goodbye to All That(1929『さらば古きものよ』工藤政司訳、岩波書店、1999)や本書I,Claudius(1934)とその続篇Claudius the God and His Wife Messalina(1934)、20世紀最高の愛の詩集と評価の高いCollected Poems(1938)など初期の代表作品を生み出す。ほとんど終生マヨルカ島の小村デヤに暮らし、詩、小説、評論、神話研究、随筆、伝記、翻訳、子供向け読みものなど幅広いジャンルにわたって130冊以上の著作をのこし、90歳の長寿を全うして没する。本書はジェイムズ・テイト・ブラック記念賞とホーソンデン賞に輝き、これまで16カ国語に翻訳されて数百万部が読まれている。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
多田智満子
ただ・ちまこ
詩人。1930年生まれ。主な詩集として『多田智満子詩集』(思潮社、1972)『定本多田智満子詩集』(砂子屋書房、1994)『川のほとりに』(書肆山田、1998)『長い川のある國』(書肆山田、2000)など、最近の散文作品に『森の世界爺』(人文書院、1997)『動物の宇宙誌』(青土社、2000)『十五歳の桃源郷』(人文書院、2000)など、訳書にはユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』(白水社、1963)など、いずれも多数。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
赤井敏夫
あかい・としお
英文学・アイリッシュ文学。1957年生まれ。神戸学院大学人文学部教授。著書『トールキン神話の世界』(人文書院、1944)ほか。訳書シュベンク『カオスの自然学』(工作舎、1986)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

巻一 クマエで巫女の予言を聴く
巻二 おそるべき祖母リウィア
巻三 伯父ティベリウス、しぶしぶユリアと結婚
巻四 父ドルスス、ゲルマニアに死す
巻五 病弱な幼年期、未来を予表する鷲と狼の仔
巻六 ユリアの島流し、ティベリウス、ロドスで暮らす
巻七 初恋の美少女、毒殺される
巻八 大女ウルグラニッラと結婚
巻九 図書館で二人の歴史家と知り合う
巻十 リウィアとアウグストゥスの往復書翰
巻十一 従兄ポストゥムスの島流し
巻十二 ゲルマニアで三軍団壊滅
巻十三 アウグストゥスの死
巻十四 ティベリウス、帝位に即く
巻十五 ライン軍団の叛乱、兄ゲルマニクス窮地に立つ
巻十六 甘やかされすぎた幼児カリグラ
巻十七 エトルリア史の執筆をはじめる
巻十八 ポストゥムス殺害される
巻十九 ゲルマニクスの凱旋
巻二十 ゲルマニクスの死
巻二十一 セイヤヌスの陰謀
巻二十二 アグリッピーナの友人たち、次々と破滅
巻二十三 ウルグラニッラと離婚
巻二十四 リウィアとティベリウスの反目
巻二十五 リウィア、数々の暗殺の事情を語る
巻二十六 ティベリウス、カプリ島で自堕落な日々を送る、リウィア死す
巻二十七 セイヤヌスの処刑、粛清の嵐
巻二十八 ティベリウスの死
巻二十九 新帝カリグラの取り巻きたち
巻三十 母アントニア自害す、カリグラ、バイアエ湾を騎馬で渡る
巻三十一 カリグラ、己が神性を明かす
巻三十二 カリグラの仲介でメッサリーナと結婚
巻三十三 カリグラ暗殺
巻三十四 親衛隊に担がれて、クラウディウス、帝位に即く

この本の関連書


「この私、クラウディウス」の画像:

この私、クラウディウス

「この私、クラウディウス」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/480頁
定価 3,990円(本体3,800円)
ISBN 4-622-04806-X C1097
2001年3月15日発行

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