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外山滋比古著作集 7

シェイクスピア考


いかにしてシェイクスピアは、今なお読まれかつ上演される古典作家になったのか? ベン・ジョンソンはじめ、当時の人気作家に親しむ人は今はもうほとんどいない。また、彼の劇作品にはどうして戸外の場面が多いのか? さらにまた彼の作品には、なぜ年上のしっかりした女性がたくさん出てくるのか?

「シェイクスピアの作品はもともと舞台上演用台本であった。それが十八世紀になると、読者のためのテクストへと性格を変える。それが作品自体の意味を変えることになる……十八世紀に新しくつけられたト書きによって、シェイクスピアは、音楽的、立体的演劇から絵画的戯曲に変貌していったことがわかる。この変動は後世、つまり読者によってもたらされた点が重要である」(著作ノート)。

本巻は、シェイクスピア作品のト書きやエメンデイション(本文修正)の精査によって、読者の受容史を追求した論考を中心に、英文学をめぐる諸エッセーを精選・収録した。


「シェイクスピア考」の著訳者:

外山滋比古
とやま・しげひこ
1923年愛知県に生まれる。1947年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。1951年「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、1956年東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授。1962年、文学博士。1989年お茶の水女子大学名誉教授、昭和女子大学教授。1999年同大学退職。『修辞的残像』『近代読者論』により文学における読者論の方法を提唱、『シェイクスピアと近代』でその実践をしめす。さらに、否定的に扱われてきた異本の意義に着目、その積極的機能を考察、『異本論』から『古典論』へと展開。これとは別に、日本について『日本語の論理』、俳句にかんして『省略の文学』『俳句的』などを発表。同時に折にふれてエッセイを書いた。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

I シェイクスピアの世界
シェイクスピアの世界――聴覚的と視覚的/シェイクスピアと近代的視点/英文学の近代/シェイクスピアの独白/シェイクスピアの第一人称単数/リア狂乱のせりふ/シェイクスピアのイメジ/シェイクスピアの空間/語り部シェイクスピア/年上の女/母親不在の劇
II 異本シェイクスピア
シェイクスピアのト書き/シェイクスピアのエメンデイション/シェイクスピアの句読法
III 外国語と思考
ホレーショーの哲学/アイランド・フォーム/文学史の問題/ピーピング・トム/外国語と思考/マージナル・リーダー/スタイル/日本語と英語の比較
IV 英語の発想
▽と△/頭と尻/YesとNo/大小・前後/ひっくりかえり/「ところの」/“何が彼女をそうさせたか”/せり出すNot/名詞的/形容詞の妙
著作ノート

この本の関連書


「シェイクスピア考」の画像:

シェイクスピア考

「シェイクスピア考」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/360頁
定価 3,570円(本体3,400円)
ISBN 4-622-04857-4 C1395
2002年11月8日発行

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