手のことば

みすずライブラリー

聾者の一家族の物語

IN THIS SIGN

著者: ハナ・グリーン

訳者: 佐伯わか子

訳者: 笠原嘉

判型	四六判
頁数	328頁
定価	2,530円（本体：2,300円）
ISBN	978-4-622-05022-3
Cコード	C0337
発行日	1997年12月15日
備考	現在品切

心理・精神医学心理学

オンラインで購入

聾者の両親から生まれた子どもは「聞こえる」娘だった。本書はこの3人の家族の50年にわたる生活の物語であり、無関心と誤解と苦難に対する長年の闘いであった。またそれは、アメリカ市民階級の半世紀の生活史をみごとに物語っている。
著者の描写は、人間の沈黙とコミュニケーションの間にある深い裂け目に分け入り、きびしい人間的現実への人間的感情の深さで読者を打つ。

著訳者略歴

＊ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

ハナ・グリーン

Green Hannah

1932年ニューヨークのブルックリンに生れる。本名Joanne Greenberg。12歳の頃より作家をこころざす。ワシントンのアメリカン大学卒業。現在コロラド州に在住。著書The King’s Persons,1963. The Monday Voices,1965.Sunmmering,1966.『デポラの世界』（佐伯・笠原訳・みすず事房、1971）。

佐伯わか子

さえき・わかこ

1910年に生れる。聖心学院英文科卒業。元英知大学英文科教授。訳書ダッドレイ『アルプスの夕陽』ボイラン『すさまじき愛』（中央出版社、1950、1962）ハナ・グリーン『デポラの世界』（共訳、1971）ラッセル『天使をこの手に』（1975、以上みすず書房）。

1928年神戸に生れる。京都大学医学部卒業。精神医学専攻。名古屋大学名誉教授。著書『精神科医のノート』（みすず書房、1976）『青年期』（中公新書、1977）『ユキの日記』（みすず書房、1978）『不安の病理』（岩波新書、1981）『精神病と神経症』（みすず書房、1984）『アパシー・シンドローム』（岩波書店・1984）『退却神経症』（講談社現代新書、1988）『外来精神医学から』（みすず書房、1991）『軽症うつ病』（講談社現代新書、1996）『新・精神科医のノート』（みすず書房、1997）。編著『青年の精神病理』（弘文堂、1976）『精神の科学』（岩波講座、1983）『異常心理学講座』（みすず書房、1987）。訳書ボス『精神分析と現存在分析論』（1962）ハナ・グリーン『デポラの世界』（1971）レイン『ひき裂かれた自己』（1971）『狂気と家族』（1972）サルズマン『強迫パーソナリティ』（1985）サールズ『ノンヒューマン環境論』（1988）コフート『自己の分析』（1994）『自己の治癒』『自己の修復』（1995）（共訳、以上みすず書房）など。