罰せられざる悪徳・読書

みすずライブラリー第2期

CE VICE IMPUNI,LA LECTURE

著者: ヴァレリー・ラルボー

訳者: 岩崎力

判型	四六判
頁数	104頁
定価	1,650円（本体：1,500円）
ISBN	978-4-622-05029-2
Cコード	C1398
発行日	1998年9月22日
備考	現在品切

文学・エッセイ外国文学・詩評論・批評

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教養の不足、趣味の欠如、不誠実、仲間意識、羨望、奸策などを、彼はやすやすと見破る——文学の領域であれこれ術策を弄するのは、愛をめぐって正直一途に振舞うと同じくらい場違いなのだ。
彼は一介の読者であることに満足し、自分の愛する本、いまのところほとんど人目を引かないが20年後には有名になっているはずの本を、ひそかに、最良の友達に推奨するだけで満足する。
（ヴァレリー・ラルボー）

著訳者略歴

＊ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

ヴァレリー・ラルボー

Valery Larbaud

フランスの小説家、評論家、翻訳家。ヴィシーの裕福な家の一人息子として生まれ、スペインやイタリア、イギリ、ロシアなど広く旅をし、コスモポリシチスムを育む。ジッドの知遇を得て、NRFに小説を寄稿、1913年、代表作『A.O.バルナブース全集』を刊行。また、S.バトラーの『エレフォン』をはじめ、ジョイスの『ユリシーズ』仏訳の監修にあたるなど、翻訳の分野でも多くの仕事を残した。

1931年山形県に生まれる。1954年東京大学教養学部教養学科卒業。1957年同大学修士課程（比較文学）修了。現在東京外国語大学名誉教授。1971-72年パリ第七大学講師。1986-88年パリ国際大学都市日本館館長。著書『ヴァルボワまで』。訳書フィリップ・ソレルス『公園』『ドラマ』『ゆるぎなき心』、ジョージ・D.ペインター『マルセル・ブルースト——伝記』、V.ラルボー『A.O.バルナブース全集』、M.ユルスナール『黒の過程』、D.フェルナンデス『薔薇色の星』『天使の手のなかで』、ロラン・バルト『作家ソレルス』、S.ソンタグ『アルトーへのアプローチ』ほか。