旧修辞学【新装版】
便覧
L’ANCIENNE RETHORIQUE
「われわれは、本書によって、修辞学の歴史と体系を、類書にはみられない、非常にいきのいい、現代的な視点で学ぶことができるといえよう。バルトが〈旧修辞学〉に関する〈予備作業〉を必要とした理由は、本書の《緒言》、《結語》に当る部分にはっきりと書いてある。いうまでもなく、それは、新しい修辞学、新しいテクストの実践を求めるためであり、その途上で、いわば敵の正体をしっかりと見定めるためである。かつての勢力を失っているとはいえ、今なお〈旧修辞学〉があらゆる言語活動に浸透している以上、その歴史と体系を復習することは、文学等の新しい理解に役立つであろうし(たとえば『S/Z』)、現代の神話批判にも役立つであろう(たとえば『神話作用』)。そして何よりも、新しいエクリチュールの探求に役立つであろう」(訳者)
ギリシャ・ローマから中世を経て現代におよぶ〈修辞学〉の歴史は、キリスト教と共に、西欧文化を理解せんとする者にとって必要不可欠のものであろう。バルトは、本書において、広汎かつ複雑な〈レトリック〉の流れを、彼独自の選択と配列によってあざやかに整理・展望している。新しい修辞学を構想する一方、旧修辞学の精緻な構造をみごとに分析した本書は、刺戟的な〈修辞学入門〉ともなっている。
「旧修辞学【新装版】」の著訳者:
- ロラン・バルト
- Roland Barthes
- 1915年フランスのシェルプールに生まれ、幼年時代をスペイン国境に近いバイヨンヌに過す。パリ大学で古代ギリシア文学を学び、学生の古代劇グループを組織。結核のため1941年から5年間、スイスで療養生活を送りつつ、初めて文芸批評を執筆する。戦後はブカレストとアレクサンドリアでフランス語の講師、その間に文学研究の方法としての言語学に着目、帰国後、国立科学研究センター研究員、1954年に最初の成果『零度のエクリチュール』(邦訳、みすず書房、1971)を発表。その後、エコール・プラティック・デ・オート・ゼチュードの〈マス・コミュニケイション研究センター〉(略称セクマ)教授を経て、1977年からコレージュ・ド・フランス教授。1980年歿。著書は他に『ミシュレ』(1954、みすず書房、1974)、『神話作用』(1957、現代思潮社、1967)、『ラシーヌ』(1963)、『エッセ・クリティック』(1964、晶文社、1972)、『記号学の原理』(1964年、みすず書房『零度のエクリチュール』に併収。1971)、『批評と真実』(1966)、『物語の構造分析』(1966、みすず書房、1979)、『モードの体系』(1967、みすず書房、1972)、『S/Z』(1970、みすず書房、1973)、『表徴の帝国』(1971、新潮社、1974)、『サド、フーリエ、ロヨラ』(1971、みすず書房、1975)、『新=批評的エッセー』(1972、みすず書房、1977)、『彼自身によるロラン・バルト』(1975、みすず書房、1979)、『恋愛のディスクール・断章』(1977、みすず書房、1980)、『第三の意味』(1982、みすず書房、1984)等がある。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
- 沢崎浩平
- さわさき・こうへい
- 1933年東京に生まれる。1957年東京大学文学部仏文学料卒業。1966年東京都立大学大学院博士課程修了。東京都立大学人文学部教授。1988年歿。訳書 バルト『S/Z』(みすず書房、1973)、パルザック『セラフィタ』(国書刊行会、1976)、パルト『テクストの快楽』(みすず書房、1977)、『第三の意味』(みすず書房、1984)、『美術論集』(みすず書房、1986)、『テクストの出口』(みすず書房、1987)、シャルレティ『サン=シモン主義の歴史』(共訳、法政大学出版局、1986)、クリステヴァ『ポリローグ』(共訳、白水社、1986)他。
- ※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
この本の関連書
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「旧修辞学【新装版】」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/232頁
- 定価 2,940円(本体2,800円)
- ISBN 4-622-07127-4 C1098
- 2005年1月7日発行