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情報セキュリティ

理念と歴史


米国と日本の事例を中心に、技術・社会・制度・思想の各領域を越境し、セキュリティの核心に迫る。また、コンピュータ利用の同時代史としても出色。読み物として面白く、教科書として比類なき構成。こういう視点での類書はないから貴重である。

『電子仕掛けの神』『技術標準 対 知的所有権』『サイバースペースの著作権』『変わりゆく情報基盤』『学術情報と知的所有権』ほか、情報技術や通信制度の領域で重要な書物をあらわしてきた著者の書き下ろし、この分野における圧巻の労作だ。

「この本では、情報セキュリティに焦点をあて、コンピュータ利用にかかわる同時代史を編んでみた。私はこの分野で形のある業績を残したわけではないが、この領域の動向は私の生涯を通じての関心対象であった。これを整理してみた。

私はこの半世紀にわたり、石油探査→ロケット・エンジン生産→情報システム開発→政策研究→法学教師、と転々と職を変えたが、いつもコンピュータが手に届くところにいた。このためだろう、習ハヌ経ヲ読ム、という調子で、コンピュータ利用についてあれこれと考えてきた。

じつは当初、戦後日本のコンピュータ利用史としてこの本を作るつもりであった。それがご覧のように米国中心の準通史的なものになってしまった。その理由は、米国においてこの課題の認識がより先んじていること、くわえてこの議論が多様かつ透明なこと、この二つにあった。

社会情報システムに関する著書をみると、日本ではそのほとんどが事業者、官庁、大学の関係者、ジャーナリスト、あるいはパーソナル・コンピュータ愛好家によるものであり、ユーザー自身によるものは皆無に近い。この点、本書に類書はない、と思う」(本書「あとがき」より)


「情報セキュリティ」の著訳者:

名和小太郎
なわ・こたろう
1931年、東京生まれ。1956年、東京大学理学部物理学科卒業。工学博士。情報処理学会フェロー、法とコンピュータ学会フェロー。石油資源開発(石油探査の研究)、旭化成(ロケット・エンジン及びパケット通信網の開発)、旭リサーチセンター取締役(技術政策研究)、新潟大学法学部教授(情報法)、関西大学総合情報学部教授(ネットワーク論)を経て、現在、国際大学GLOCOM客員教授、及び、情報セキュリティ大学院大学非常勤講師。公職として、国立国会図書館科学技術情報整備審議会、郵政省通信放送融合懇談会の委員、著作権審議会、統計審議会、科学技術会議、工業標準化調査会の専門委員、学術著作権協会理事、日本データベース協会座長代理などを歴任。著書に、『電子仕掛けの神――法制度を揺るがす情報通信技術』(勁草書房、 1986)、『技術標準 対 知的所有権』(中公新書、1990)、『雲を盗む――法廷に立たされた現代技術』(朝日新聞社、1995)、『サイバースペースの著作権』(中公新書、1996)、『科学書乱読術』(朝日選書、1998)、『デジタル・ミレニアムの到来』(丸善ライブラリー、1999)、『変わりゆく情報基盤』(関西大学出版部、2000)、『起業家エジソン』(朝日選書、2001)、『学術情報と知的所有権』(東京大学出版会、2002)、『ゲノム情報はだれのものか』(岩波書店、2002)、『ディジタル著作権――二重標準の時代へ』(みすず書房、2004)などがある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「情報セキュリティ」の画像:

情報セキュリティ

「情報セキュリティ」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/320頁
定価 3,780円(本体3,600円)
ISBN 4-622-07169-X C0036
2005年10月21日発行

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