みすず書房

ロック・エンサイクロペディア

1950s-1970s

THE ENCYCLOPEDIA OF ROCK

判型 菊判
頁数 952頁
定価 19,800円 (本体:18,000円)
ISBN 978-4-622-07344-4
Cコード C0073
発行日 2009年11月25日
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ロック・エンサイクロペディア

The Encyclopedia of Rock(全3巻)の全訳。原書がイギリスで出たのは1976年だが、その後も包括的な視点と執筆水準でこれを凌ぐロック百科事典は少ない。
〈創造の現場では、アーティスト、作詞作曲者と並び、レコード会社幹部、プロデューサーをはじめ多くの関係者が厚い層をなして創作にかかわっている〉〈ロックを知るためには、その前史と同時代の多様な音楽状況を視野に入れてはじめて全貌が見える〉。こうした視点が貫かれている点が、時代を先取りしていて凄い。
各項目の記述には執筆者の個性がよく出ている(総勢45名)。機知が冴え、“読む百科事典”として非常に充実。時代の只中で評価が定まっていない対象をどのように書いたか、ロック史のドキュメントとしての資料価値が高い。
原書刊行年は、パンクの出現、ニューウェイヴの登場など、その後のロック史が大きく変化していった節目の頃にあたる。その意味で、ロック誕生から黄金期までをカバーし、明快な軸で凝縮性を持った一書と言えるだろう。
原書第1巻・第2巻の訳書は、『ロック百科』1・2(サンリオ、1981年)として刊行されている。今回の改訂新版では、邦訳未刊の第3巻を加え、旧版相当部は改訳を行っている。そして、旧版には無かった「人名・グループ名総索引」「事項索引」を設けた。
ロックを中心に同時代のポピュラー音楽を網羅した“読むエンサイクロペディア”、「ロックの遺産」を熱く伝える名著である。ロックの鉱脈、恐るべし! ここで、今まで知らなかったミュージシャンとの素晴らしい出会いがあるだろう。

目次

はじめに[三井徹]

1 ロックンロールの時代(1950年代)
2 リヴァプールからサンフランシスコまで(1960年代)
3 70年代のサウンド(1975年まで)

人名・グループ名索引
事項索引

書評情報

朝日新聞
2009年12月20日(日)
日本経済新聞
2010年2月21日(日)
ブルース&ソウルレコーズ
2010年2月号

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