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〈海賊版〉の思想

18世紀英国の永久コピーライト闘争

著者
山田奨治

エジンバラの「海賊出版者」アレクサンダー・ドナルドソンは、コピーライトを永久に独占しようとしたロンドンの大書店主たちに敢然と挑んだ。「なぜ、コピーライトに期限があるのか」――18世紀英国を舞台とした法廷闘争を軸に、その起源を社会・文化史的に検証する。著作権問題を史的に考察した力作である。
当時の出版状況の背景には、書店主、法律家、貴族、作家の関係やネットワークがあり、今日的問題へのヒントも多い。作品をめぐる思想と議論、登場人物の人間臭さなど、出版文化史としても出色の読み物だ。
「独占と「海賊」は、善悪の二分法で切ることはできない。両者はあくまで経済的な利益を追求していたのだが、自分たちの立場を擁護する便法として、著者の権利や読者の便宜をいってきた。両者の力と力のぶつかりあいに法律家たちの人間関係がからみあい、時代が動いてゆく――そんな歴史観を、この本では描いてみたかった。こういう書き方は、法学のひとのように、法廷での論理構成を綿密に分析することを大事にしている立場からみれば、邪道の極みだろう。しかし法廷のなかでの議論だけを追っていてはわからないことのなかに、歴史のうねりを作り出す源があるのではないだろうか。」(「おわりに」より)


目次


はじめに

第1章 本の「海賊」と独占
「海賊」出版者ドナルドソン/ドナルドソン書店のカタログ/独占出版者ミラーの評判/一八世紀イギリスの司法/両者のいいぶん

第2章 コピーライトに群がるひとびと
コピーライト法ができるまで/「アン法」の中身/書店主たちの戦争/ドナルドソン、ロンドンへ/永久コピーライト派の勝利

第3章 一九日間の法廷闘争
ドナルドソンの戦略/闘いは上院へ/開廷/五つの質問/沈黙と大演説/逆転/ジョンソンの見方

第4章 スコットランドの「悪徳な知」の系譜
スコットランドの運命の石/イングランドとの合邦/教会と識字率/出版業の隆盛/詩人ラムジー/エジンバラへ/『優しい羊飼い』/ラムジーの貸本業/蔵書のゆくえ

第5章 現代への遺産
画家ラムジーのネットワーク/法律家たちの晩年/ドナルドソン書店のその後/裁判がもたらしたもの

エピローグ
おわりに
参考文献
索引


著訳者略歴

山田奨治
やまだ・しょうじ

1963年、大阪市生まれ。国際日本文化研究センター准教授、総合研究大学院大学准教授。専門は情報学。筑波大学大学院(修士課程医科学研究科)修了。京都大学博士(工学)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「〈海賊版〉の思想」の画像:

〈海賊版〉の思想

「〈海賊版〉の思想」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/264頁
定価 3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-622-07345-1 C0030
2007年12月19日発行

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