みすず書房

マドレーヌ=ソフィー・バラ

キリスト教女子教育に捧げられた燃ゆる心

MADELEINE SOPHIE BARA

判型 A5判
頁数 640頁
定価 11,000円 (本体:10,000円)
ISBN 978-4-622-07360-4
Cコード C3016
発行日 2008年3月19日
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マドレーヌ=ソフィー・バラ

カトリック女子修道会〈聖心会〉の創立者、マドレーヌ=ソフィー・バラ(聖マグダレナ・ソフィア・バラ、1779-1865)。ブルゴーニュのワイン樽職人の子として生まれ、両親の愛をうけて育った幼年期。指導者であり、厳しい裁定者でもあった兄によって準備された道を踏みだしたパリ時代。そしてアミアンへ。聖心会の創立と、22歳での修道院長就任、25歳での総長就任。
人間関係の葛藤、政治的な思惑、歴史の転変に翻弄されながらも、ソフィー・バラは、聖心〈みこころ〉への奉献を至上の理想として掲げる会を、半世紀以上にわたって指導してゆく。そうして聖心会は、フランス国内のみならず、国際的な修道会にまで拡大していった。
修道会であると同時に、本格的な女子教育を担う機関としての機能を果たした聖心会の誕生から発展への道は、しかし、かならずしも平坦なものではなかった。その歴史の細部は、ソフィー・バラの具体的な活動は、どのようなものであったのか。
聖心会会員である著者フィル・キルロイは、各国の聖心会の文書館に所蔵されていた入手困難な未公刊手稿や書簡を収集・参照して、聖心会が通ってきた道のりを歴史的事実にのっとって検証した。その結果、ソフィー・バラという、目立つことを好まず、活動以上に祈りに時間を割き、会員たちにつねに謙虚であることを願ったひとりの女性の思想と活動を、ここに生き生きと甦らせることになったのである。

目次

ある一場面
刊行に寄せて
日本語版への序文
序章 ソフィー・バラ、1779-1865年
第1章 ジョアニーとパリ、1779-1800年
第2章 パリとアミアン、1800-06年
第3章 あらたな場所への旅立ち 1806-11年
第4章 破滅の種子 1811-15年
第5章 総会 1815年
第6章 アミアンからパリへ 1816-20年
第7章 パリ、ヴァレンヌ通り 1820-25年
第8章 内なる旅、政教とのかかわり 1825-26年
第9章 ローマとさらなる拡大 1927-29年
第10章 進行と前進 1830-33年
第11章 結束か崩壊か 1833-36年
第12章 くじけずに 1834-35年
第13章 暗雲たちこめて 1836-38年
第14章 嵐の始まり 1838-39年
第15章 反動 1839年7月-12月
第16章 分裂と不和 1839-40年
第17章 崩壊への道 1841-42年
第18章 試される指導力 1842年
第19章 深淵へ 1842-43年
第20章 立場を回復して 1843-44年
第21章 みずからの修道院で 1844-49年
第22章 ひるまぬ足どり 1850-65年
終章 1865年5月