「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



スピンはめぐる【新版】

成熟期の量子力学


朝永振一郎による不朽の名著、待望の新版。あのパウリによって「古典的記述不可能な二価性」とも表現され、マクロな物理現象とのアナロジーを拒んだ“スピン”の真髄に迫ろうとするとき、本書のアプローチに優るものは想像しがたい。
スピンの概念は紆余曲折の末に理論的に焦点を結び、相対論化され、量子力学の射程を大きく延ばした。それは荷電スピンの概念につながり、人知が原子核の内側へ踏み込むことを可能にしたのである。
その過程で、「アクロバットのよう」なディラックの思考、つぎつぎと問題の鍵を見いだす「パウリの正攻法」、現象論的な類推から本質に辿り着く「ハイゼンベルク一流の類推法」など、さまざまな個性の頭脳が自然の謎と格闘する。本書はそんな「興奮の時代」と呼ばれた量子力学の成熟過程を、近体験する旅である。その道程の随所に、ディラックらの原論文を読みこんで、自身も歴史的な仕事を遺した朝永ならではの洞察が光っている。学術書でありながら、まさに珠玉と呼ぶにふさわしい。
すべての物理学生にとっての必読書である。新版には懇切な注釈が付され、より独習しやすくなった。旧版刊行から30年余を経たため、その間のスピン関連の進歩に関する解説も追加されている。


「スピンはめぐる【新版】」の著訳者:

朝永振一郎
ともなが・しんいちろう
1906年、東京に生まれる。1929年、京都大学理学部物理学科卒業。東京教育大学教授、同大学学長を歴任。1965年度ノーベル物理学賞受賞。東京教育大学名誉教授。1979年歿。著書『量子力学 I・II』(1952)、『科学と科学者』(1968)、『物理学読本』(編著、1969)、Scientific Papers of TOMONAGA(全2巻、1971-76)、『庭にくる鳥』(1975、以上みすず書房)、『物理学とは何だろうか 上・下』(岩波書店)ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
江沢洋
えざわ・ひろし
1932年、東京に生まれる。1960年 東京大学大学院数物系研究科修了。東京大学理学部助手。1963年 米・独に出張。1967年 帰国。学習院大学助教授、1970年 教授、2003年 名誉教授。理学博士。専攻 理論物理、確率過程論。著書『だれが原子をみたか』(1976、岩波書店)、『波動力学形成史』(1982、みすず書房)、『現代物理学』(1996、朝倉書店)、『量子力学 1・2』(2002、裳華房)。共著『量子力学 I・II』(湯川秀樹・豊田利幸編、1978、岩波講座・現代物理学の基礎)。編書『仁科芳雄』(玉木英彦と共編、1991、みすず書房)、『量子力学と私』(朝永振一郎著、1997、岩波文庫)。『仁科芳雄往復書簡集 I・II・III』(中根良平らと共編、2007、みすず書房)、ほか。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

第1話 夜明け前
第2話 電子スピンとトーマス因子
第3話 パウリのスピン理論とディラック理論
第4話 陽子のスピン
第5話 スピン同士の相互作用
第6話 パウリ‐ワイスコップとユカワ粒子
第7話 ベクトルでもテンソルでもない量
第8話 素粒子のスピンと統計
第9話 発見の年“1932年”
第10話 核力と荷電スピン
第11話 再びトーマス因子について
第12話 最終講義
参照文献
あとがき
付録
A 補注 B スピン、その後 C 電磁気関連の旧版の表式(CGSガウス単位系)
画像・資料リスト
新版へのあとがき
索引

書評情報

酒井英行<2009,№5:日本物理学会誌>

この本の関連書


「スピンはめぐる【新版】」の画像:

スピンはめぐる【新版】

「スピンはめぐる【新版】」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/352頁
定価 4,830円(本体4,600円)
ISBN 978-4-622-07369-7 C3042
2008年6月20日発行

この本を購入する