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遠近の回想【増補新版】

DE PRES ET DE LOIN


20世紀という時代を深く生き抜いた思想家レヴィ=ストロースは、自分について語ることが少なかった。旧版では、文化人類学者としての生涯と精神の軌跡とを、45歳年下の鋭敏な聞き手を得て、のびのびと楽しく語っている。今回の増補新版は、その2年後に、旧版への反応を踏まえて行なわれた対談「二年後に」を併せて収める。
話題は多岐にわたり、まず生涯の節目となった出来事を克明に語る。ブラジル滞在、亡命先のニューヨークで出会ったブルトンやエルンスト、パリでのラカンやメルロ=ポンティとの交流、1968年のパリ五月事件への反応、自らの構造主義的思考に決定的な影響をあたえたヤーコブソンの存在…。
著書の1冊1冊について意図や背景を述懐する部分では、〈自然から文化への移行〉という壮大なテーマを生涯追求し、各々がその変奏曲であったことが浮彫りにされる。
さらに、ワーグナーやコンラッドへの思い入れ、劇作家になりたかった夢など、その人間的魅力がふんだんに引き出され、発見も詰まっている。彼自身による最適なレヴィ=ストロース入門ともいえよう。


「遠近の回想【増補新版】」の著訳者:

クロード・レヴィ=ストロース
Claude Levi-Strauss
1908年ベルギーに生まれる。パリ大学卒業。1931年、哲学教授資格を得る。1935-38年、新設のサン・パウロ大学社会学教授として赴任、人類学の研究を始める。1941年からニューヨークのニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチで文化人類学の研究に従事。1959年コレージュ・ド・フランスの正教授となり、社会人類学の講座を創設。1982年退官。アカデミー・フランセーズ会員。著書 『親族の基本構造』(番町書房 1977-78, 青弓社 2000)『人種と歴史』(みすず書房 1970)『悲しき熱帯』(中央公論社 1977)『構造人類学』(みすず書房 1972)『今日のトーテミスム』(みすず書房 1970)『野生の思考』(みすず書房 1976)『生のものと火を通したもの〈神話論理 I〉』(みすず書房 2006)『密から灰へ〈神話論理 II〉』(みすず書房 2007)『食卓作法の起源〈神話論理 III〉』(みすず書房 2007)『裸の人 1〈神話論理 IV-1〉』(みすず書房 2008)『仮面の道』(新潮社 1977)『神話と意味』(みすず書房 1996)『構造・神話・労働』(みすず書房 1979)『はるかなる視線』(全2冊、みすず書房 1986、1988)『やきもち焼きの土器つくり』(みすず書房 1990)『レヴィ=ストロース講義――現代世界と人類学』(平凡社ライブラリー 2005)『みる きく よむ』(みすず書房 2005)『ブラジルへの郷愁』(みすず書房 1995)他。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
ディディエ・エリボン
Didier Eribon
1953年フランスのランスに生まれる。パリ大学ソルボンヌで哲学を専攻。現在、哲学、文学、政治、ジェンダー(とくに同性愛)をテーマに旺盛な著作活動を行なっている。著書『ミシェル・フーコー伝』(新潮社 1991)『デュメジルとの対話――言語・神話・叙事詩』(共著、平凡社 1993)、Reflexions sur la question gay (Fayard 1999)。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
竹内信夫
たけうち・のぶお
1945年生まれ。東京大学名誉教授。東京大学文学部助手、明治学院大学専任講師、東京工業大学助教授、東京大学教養学部教授、東京大学大学院総合文化研究科教授を歴任。フランス近代詩、とくにマラルメの専門的研究にしたがう傍ら、19世紀西欧の東洋学史を比較文化学的視点から研究。空海および日本悉曇学史にも関心をもつ。上記の研究分野における研究論文の他に、著書として『空海入門――弘仁のモダニスト』(ちくま新書、1997)、訳書として、メショニック『詩学批判――詩の認識のために』(未來社1982,1998)パンゲ『自死の日本史』(筑摩書房 1986)ルイ・デュモン『インド文明とわれわれ』(共訳、みすず書房1997)レヴィ=ストロース『みる きく よむ』(みすず書房 2005)他がある。
※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

目次

プロローグ
第一部 ドン・キホーテの帰還
1 オッフェンバックからマルクスへ/2 フィールドに立つ民族学者/3 ニューヨークの放浪生活/4 旧世界への帰還/5 数字8の秘密/6 パリの構造主義/7 コレージュ・ド・フランスにて/8 緑の礼服――アカデミー・フランセーズ/9 「退屈することはありません」
第二部 精神の法則
10 結婚の掟/11 感覚的世界/12 スー族、哲学者、科学/13 歴史の掃き溜めのなかで/14 鳥の卵採りの後を追って/15 思考の働き
第三部 複数の文化、単一の文化
16 人種と政治/17 文学/18 絵画の内容/19 音楽と声
エピローグ
二年後に


訳者あとがき
人名索引

書評情報

青木保(文化人類学)
<2009年12月20日(日):毎日新聞>
長谷川宏(哲学者)
<2010年5月号:婦人之友>

この本の関連書


「遠近の回想【増補新版】」の画像:

遠近の回想【増補新版】

「遠近の回想【増補新版】」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/384頁
定価 4,200円(本体4,000円)
ISBN 978-4-622-07432-8 C1010
2008年11月20日発行

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