みすず書房

20世紀の始まりに開発された《マンセル表色系》は、色を「色相・明度・彩度」の三属性から測ることで、文化や環境に左右されずに定量的に表せることを実証し、色彩学の世界に新たな秩序をもたらした。
この画期的なシステムの考案者アルバート・H・マンセルが、みずからが見出し発展させた理論の基礎を、誰にでもわかることばと図例で丁寧に説明、さらには画家・美術教師の立場から、子供たちへの教授法もアドバイスする。
色彩研究のエッセンスがつまった本書・《マンセル表色系》の原典を読むと、国際規準やJIS規格として世界中で活用されている表色系の色彩観が理解できると同時に、色彩がもつ無限の可能性に目を開かれるだろう。

「システマティックな色彩の表記を使って、無秩序な色彩の世界から旅立ちましょう」
(本文より)

目次

第1章  色彩の表記
 カオス(混沌)——色名の名づけそこない
 整列——眼に見える色彩の属性
 色相は色の名前
 彩度は色の鮮やかさ
色立体——図解による色彩の並び方と相関性
記号による表記——システマティックな色名法
カラーチャート
まとめ

第2章 色彩の楽譜

第3章  配色調和
 バランス——視覚の快適さ
 色彩調和——リズミカルな配色
 配色選びの道順
 色彩の面積範囲

補遺
 生理学
 心理学
 物理学——プリズム色立体(想像上での色光による虹色の色相・明度・彩度を理解する実験)
 色彩教育
 色彩の音叉
 カラーアトラス
 測色のためのマンセル表色系

論評
カラーグループ
慣用色名
マンセルの明度に対応する光の反射率表
マンセルによる色彩用語集

訳者解説

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