パゾリーニ詩集

イタリアの映画監督・詩人・小説家。1922年ボローニャで軍人の家に生まれる。母方の実家があるカザルサで過ごした時間も多い。ボローニャ大学卒業後、イタリア共産党に入党、中学校教師をしていたが、学校と党から追われ、母とともに1950年、ローマに移住。1956年、フェリーニ監督『カビリアの夜』の脚本を共同執筆。ヴィアレッジョ賞を受けた詩集『グラムシの遺骸』など次々に詩集を出すかたわら、『生命ある若者』などの小説で文学界を賑わす。映画『アッカトーネ』で監督となり、『奇跡の丘』『アポロンの地獄』『テオレマ』などのフィルムは一時代を画した。1975年11月2日夜、ローマ郊外のオスティア海岸で殺される。没後、遺作となったフィルム『ソドムの市』が公開され、未完の小説が刊行され、伝記や研究書も相次いだ。1993年に全詩集、1998年より全集が刊行されるなど、芸術家としての評価はますます高まっている。

1953年西宮生まれ。東京大学文学部にて宗教学を、同大学院にて比較文学を学び、博士課程を修了する。韓国のコングク大学校をはじめ、コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学などで客員研究員・教授を勤め、現在は明治学院大学文学部芸術学科教授として映画史の教鞭を執っている。映画、文学、音楽、都市論、アジア論、料理、漫画といった文化現象について批評を行なう。著書に『映画史への招待』『日本映画と戦後の神話』『日本の書物への感謝』（以上、岩波書店）『人、中年に到る』（白水社）『ハイスクール1968』『先生とわたし』（以上、新潮社）『大島渚と日本』（筑摩書房）『見ることの塩』『女神の委譲』（以上、作品社）『歳月の鉛』（工作舎）『蒐集行為としての芸術』（現代思潮新社）などがあり、詩集に『人生の乞食』(書肆山田)が、共著に『映画女優　若尾文子』（みすず書房）などがある。また、ポール・ボウルズ、エドワード・サイード、マフムード・ダルウィーシュの翻訳がある。サントリー学芸賞、伊藤整文学賞、桑原武夫学芸賞、児童文学学会特別賞などを受けた。