みすず書房

むずかしさについて

ON DIFFICULTY

判型 四六判
頁数 304頁
定価 5,720円 (本体:5,200円)
ISBN 978-4-622-07821-0
Cコード C1010
発行日 2014年9月25日
オンラインで購入
むずかしさについて

「じっさいのところ選択はすでになされている。これがわたしの論点である。どこで、いつわれわれが文学テクストの研究をしていようとも、われわれはウォーフ的方法論とチョムスキー的方法論のあいだで選択をしているのだ。われわれがそうした枠組みを定義する労をとろうととるまいと、文学におけるわれわれの言語の知覚は相対主義的であり、もしこういう言い方が許されるならば超ウォーフ主義的である」

フロイトの手法はどのような言語習慣を前提とし、精神分析は近代性のどのような側面に連なっているのか? ジェイン・オースティン、フローベールからプルースト、ジュネ、ノーマン・メイラーまで——文学の性愛表現が映しだすプライバシーと公共性の歴史的変質とは? 言葉からの退却、〈アフター・カルチャー〉が進行しつつある時代、書物の運命はいかに?…
L・S・ヴィゴツキーが提起した「内的発話の歴史理論」を別様に問いなおし、「読書行為の技術的、心理的、社会的地位の変化」を見据えつつ、文学テクストと諸学・文献とのあいだを自在に往還。〈脱領域の知性〉円熟期の冴えわたる文明批評。表題作、「テクストとコンテクスト」「言語と精神分析に関する覚え書き」「言説の流通」「エロスと用語法」「ウォーフ、チョムスキーと文学研究者」「ダンテはいま——永遠の相における噂話」「書物の後には?」の全8編。

目次

序文
I テクストとコンテクスト(1976)
II むずかしさについて(1978)
III 言語と精神分析に関する覚え書き(1976)
IV 言説の流通(1978)
V エロスと用語法(1975)
VI ウォーフ、チョムスキーと文学研究者(1974)
VII ダンテはいま——永遠の相における噂話(1976)
VIII 書物の後には?(1972)

訳者あとがき
索引

関連リンク