みすず書房

「ペンによる肖像画の試みである/個性も仕事もさまざまにちがう人たちだが、一つだけ共通している。いずれも、もはやこの世にいない。さらにもう一つあげれば、徒党を組むのをいさぎよしとしなかったこと」
「ほんのちょっとした偶然を意味深い必然に変える何か。それがあってはじめて、その人が自分にとって守護天使のようになった」
(「あとがき」)

したしかった人、何度か会っただけなのに忘れがたい人、本を通して会った人。出会いのかたちはそれぞれ、でもずっと大切な存在である人々について、時代と生活に思いを馳せながら、歩いたあとを辿るように書く。各紙誌等に発表した文章を大幅に再構成・加筆修正した27編に、エッセイ「死について」を付す。
本書で会えるのは、種村季弘、森﨑秋雄、須賀敦子、松井邦雄、西江雅之、米原万里、澁澤龍彥、大江満雄、丸山薫、菅原克己、高峰秀子、野呂邦暢ほかの28人。

目次

種村季弘
森﨑秋雄
森浩一
北原亞以子
須賀敦子
川村二郎
木田元
森毅
小沢昭一
松井邦雄
西江雅之

米原万里
赤瀬川原平
宮脇俊三
山口昌男
澁澤龍彥
児玉清

花田清輝
川田晴久
野尻抱影
岩本素白
澤村宗十郎・坂東三津五郎
大江満雄
丸山薫
菅原克己
高峰秀子
野呂邦暢

死について

あとがき
ブックリスト

誤植のお詫びと訂正

2016年4月19日発行の第1刷に誤植がございました。
「須賀敦子」39頁1行目、
(誤) 記憶に消えのこっている違い → (正) 記憶に消えのこっている遠い
です。誤りをお詫び申し上げ、謹んで訂正いたします。(2016年8月)

書評情報

日本経済新聞
2016年4月24日(日)
原武史(放送大学教授・政治思想史)
朝日新聞2016年6月12日(日)
島倉朝雄(編集委員)
北海道新聞2016年6月12日(日)
岡崎武志(書評家)
山陽新聞2016年6月12日(日)
平松洋子(エッセイスト)
東京人2016年8月号
井波律子(中国文学者)
毎日新聞「2016・この3冊」2016年12月11日(日)