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神谷美恵子コレクション

遍歴


「どのようにもののみかた、考えかたが変ってきたか、これこそ心をもつ人間の歴史といえるものではないかと思う。……だからこれから書くのは自叙伝というよりは、ちっぽけな頭で感じたり、考えたりしてきたことの断章である」。

本書は、間近にせまる死を予感しつつ、みずからの生のあしあとをたどった、著者の絶筆である。

控えめな、抑制された文章からは、ひとがひとり生きぬくことの重さが静かに伝わってくる。著者は本書の刊行をみることなく、1979年10月22日、65歳の生涯を閉じた。新資料「妹への手紙」を収める。


目次

1 スイスものがたり
序章/スイスへ行く前のこと/スイスへ/ジュネーヴの家/新渡戸稲造先生/寺子屋学校/ルソーのこと/スイスの山で/国際学校/デュプイ先生/成績表について/母のこと/終章
2 帰国
言葉の問題/「考えること」事始め/らいとの出会い/療養の日々/一冊の本/再び治って
3 ペンドル・ヒル学寮の話
ペンドル・ヒルへ行くまで/ペンドル・ヒル学寮/アナ・プリントンとその夫君/マサとの出会い/踏切番のおじいさん/四つの眼/ヴィルヘルム・ゾルマンとナチ/ゾルマン氏との別れ/キャロライン・グレイヴスン/神秘体験をめぐって/キャロラインとの別れと再開/ガールズ・クラブの人びと/ドラ・ウィルスン/日本人の二人ぐらし/ペンドル・ヒルの春/医学志向への復帰/パリ行き/ペンドル・ヒル以後
4 現実の荒波の中で
東大入局と終戦と文部省経験と/愛生園見学の記/文部省日記/新しい生活/関西へ/愛真聖書学園/子どもの病気/フランス語塾経営/名無しの会/カナディアン・アカデミー/女子大とらい園にて
「あとがき」にかえて 神谷宣郎

妹への手紙
*解説 森まゆみ


著訳者略歴

神谷美恵子
かみや・みえこ

1914年岡山に生まれる。1935年津田英学塾卒、コロンビア大学に留学。1944年東京女子医専卒、同年東京大学医学部精神科入局。1952年大阪大学医学部神経科入局。1957年-72年長島愛生園勤務。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
森まゆみ
もり・まゆみ

この本の関連書


「遍歴」の画像:

遍歴

「遍歴」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/356頁
定価 1,944円(本体1,800円)
ISBN 4-622-08184-9 C0311
2005年3月24日発行

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