みすず書房

サルトル『むかつき』ニートという冒険

理想の教室

判型 四六判
頁数 152頁
定価 1,650円 (本体:1,500円)
ISBN 978-4-622-08320-7
Cコード C1398
発行日 2006年8月4日
備考 現在品切
オンラインで購入
サルトル『むかつき』ニートという冒険

「さあ、きみの先輩をひとり紹介しよう。きみのお父さん、いやお爺さんたちが一生懸命読んだ本の主人公だ」。——引き籠もり、ニート、「キレる」といった現代社会の問題に呼応することで、20世紀フランス文学の名作が新たな命を生き始めているようです。新釈「嘔吐」の世界へようこそ。

目次

テクスト——サルトル『嘔吐』より(白井浩司訳)

第1回 正常異常者の屈折光学
投壜通信——来ない者に/チョーむかつく/サルトルって誰?/「アンガジュマン」のトポロジー/引き籠もりの哲学者/船酔いの唄/ハイデガーの『形而上学とは何か』/判読不能な手紙/物語・歴史・記述/隅‐遇/三人のアントワーヌ/瞬間と持続/それの抗争/死と外部——むかつきの終身刑

第2回 ぼくの居場所は?
驚異/クローズアップ/背後から抱かれて/鏡の回廊/他者鏡と顔/肖像画——ジンメル、ジャンケレヴィッチ/背中と背後/寸断された身体/さまざまな鏡と窓ガラス/図式と心の闇と未知の根/バレスの根無し草/想像的なもの・象徴的なもの・リアルなもの/物自体と質料/エートル‐エグジスタンス——帰属‐離脱/なぜ無よりもむしろ何かが存在するのか/偶然性と充足理由律/居場所って?/贈与・交換・分配——ランティエ/すし詰めと含羞/実存と関係——関係の外在性

第3回 「むかつき」な人々
おせっかいな単独者/畜群性の諸相/共依存とRPG/性のかたち・汚辱・人間の条件/家族の肖像/黒い聖母とドルイド教/微笑み/曙光

読書案内