みすず書房

篠田浩一郎

しのだ・こういちろう

1928年東京に生まれる。1954年東京大学文学部仏文科卒業。ロマン主義のなかから高踏派、写実派の〈芸術のための芸術〉の理論が発生する社会的背景を研究。同じ問題観から大学院で、ボードレールについて考察、「近代文学」、「新日本文学」等にエッセーを発表し始める。1957年以後東京外国語大学でフランス語、文学、社会思想を講じる。東京外国語大学名誉教授。その間フランス政府の招聘により1961年と1972年に留学。著書『フランス・ロマン主義と人間像』(未來社、1965)、『フランス—美と歴史を歩く』(美術出版社、1967)、『ゲーテの木—戦闘的ヒューマニズムの文学』(晶文社、1972)、『形象と文明』(白水社、1977)、『構造と言語』(現代評論社、1978)、『中世への旅』(朝日新聞社、同)、『批評の記号学』(未來社、1979)、『閉ざされた時空—ナチ強制収容所の文学』(白水社、1980)、『竹取と浮雲』(集英社、1981)、『空間のコスモロジー』(岩波書店、同)、『小説はいかに書かれたか』(同前、1982)、『都市の記号論』(青土社、同)、『再びセーヌは流れる—歴史のなかのフランス作家群像』(TBSブリタニカ、同)『物語と小説のことば』(国文社、1983)、『仮面・神話・物語』(朝日新聞社、同)、『幻想の類型学』(筑摩書房、1984)、『カオスからノカオスへ』(洋泉社、1986)、『新ふらんす記』(白水社、1986)、『ロラン・バルト—世界の解読—』(岩波書店、1989)、『修羅と鎮魂-日本文化試論』(小沢書店、1990)。訳書 ミシュレ『魔女』、ゾラ『テレーズ・ラカン』、ニザン『アデン・アラビア』、ガスカール『シメール』、ビュルニエ『実存主義と政治』等がある。