みすず書房

アラン・ローマックス

Alan Lomax

1915-2002。音楽記録家、プロモーター、研究家。アメリカ・ポピュラー音楽の発展に大きく貢献した人物。アメリカのフォークソングを中心に膨大な量の貴重な音楽を記録・保存。著書多数。1930年代から、父ジョン・ローマックスと共に米国内各地を旅行し、フォーク、ブルース、ジャズなど、ジャンルを問わず民俗音楽の発掘・収集を続けた。レッドベリー、ウディ・ガスリー、ジェリー・ロール・モートンら伝説的音楽家の作品を録音し広く紹介する。また、ワールド・ミュージックの最初の大規模な録音集の編纂を行った。著書『ザ・フォークソングズ・オブ・ノースアメリカ』(1960)は多くの若手音楽家を触発、フォーク・ブームのきっかけとなった。米国だけでなく、英国、スペイン、イタリア、カリブ海でも民俗音楽を収集し、各地域・民族の音楽を研究。現在、彼の録音の貴重な遺産が、ラウンダー・レコードからCDとして発売されていて、まったく新しい聴衆を獲得すると共に、世界の音楽の探究においてローマックスがいかに先見の明を持っていたかを示している。数百にもおよぶ録音と何十もの記録映画を制作したことに加え、文章も多く残した。有名な民謡集『アメリカのバラッドと民謡』(1934)、『我らが歌の国』(1941)(以上、父ジョンとの共著)、オーラル・ヒストリー『ミスター・ジェリー・ロール』(1950)、回顧録『ブルーズが生まれた土地』(1993)など重要な著作を著している。1996年に引退。