みすず書房

ヤン・パトチカ

Jan Patocka

東ボヘミアのトゥルノフ生まれ。プラハのカレル大学で学び、ソルボンヌに留学後、カレル大学で哲学博士の学位取得。1930年代にベルリンとフライブルクでフッサール、ハイデガーに師事、カレル大学で教授資格を得る。ナチスのチェコ侵攻によって大学が閉鎖された後は高校教師となり、戦後、大学に戻るが、1950年にはチェコ共産党によって大学を追われ、マサリク研究所などに職をつないで1968年に復職するも、ソ連の軍事介入後の1972年にふたたび教職を解かれ、出版も禁止される。1977年、反体制運動の中心メンバーの一人となり、ヴァーツラフ・ハヴェル、イジー・ハーイェクらと共に「憲章77」を起草。その活動によって逮捕され尋問ののちに死亡。本書のほか、『哲学的問題としての自然的世界』(1936)『肉体、社会、言語、世界』(1968-69)などの主著がある。また、現象学、コメンスキー、さらにマサリクを柱とした多くの著作があり、それらは現在、チェコで『パトチカ全集』として刊行中。