みすず書房

アシア・ジェバール

Assia Djebar

イスラーム圏を代表する作家・映像作家。本名ファーティマ=ゾフラー・イマライェーヌ。1936年フランス植民地支配下のアルジェリア・シェルシェルに生まれる。当時のアルジェリア女性のなかで例外的に高等教育を受け、1955年フランス・セーヴルの女子高等師範学校にアルジェリア女性としてはじめて入学。1956年、独立を要求する在仏アルジェリア人学生の授業ボイコットに賛同し、試験を放棄。同年、20歳のときにアシア・ジェバールの筆名で小説『乾き』を発表、「アルジェリアのサガン」といわれる。FLN(アルジェリア民族解放戦線)支援の記者、モロッコ・ラバト大学の歴史学助手を経て、アルジェリア独立時の1962年からアルジェ大学で歴史学を講じる。以降、パリとアルジェに在住。1997年からアメリカに居を移し、ニューヨーク大学フランス語科教授。2005年、北アフリカの作家としてはじめてアカデミー・フランセーズの会員に選出され、大きな話題を集めた。幾度もノーベル賞候補として名が挙がっている。代表的な小説に『乾き』(1957)、『うぶなヒバリたち』(1967)、『居室のなかのアルジェの女たち』(1980)、『愛、ファンタジア』(1985)、『アルジェリアの白』(1996)、批評作品に『私を包囲する声』(1999)、映画作品に『シェヌーワ山の女たちのヌーバ』(1978、ヴェネツィア映画祭国際批評賞)など多数。