みすず書房

アラン=フルニエ

Alain-Fournier

1886年、フランス中部はシェール県の田舎町、ラ・シャペル=ダンジロンに生まれる。両親は小学校の教師で、父親の赴任先であり本作の舞台のモデルとなったエピヌイユ=ル=フルーリエル村で幼少年期を過ごす。1898年、パリのリセ・ヴォルテールに入学。1901年、海員になる夢を胸に港町ブレストの高等中学校に編入するも挫折、その後いくつかの学校を転々とする。1908年、兵役義務を果たすため入隊。この間、のちに『奇蹟(Miracles)』としてまとめられる詩や散文を書いた。兵役終了後「パリ日報」の記者となり文芸欄を担当するが、1912年に退社。1913年、長年あたためてきた小説『グラン・モーヌ』を完成させ、「NRF(新フランス評論)」誌に連載、同年10月にはエミール・ポール社から単行本として刊行する。本作はいきなりゴンクール賞候補になるも落選。翌年1914年、第二作目となる未完の小説『コロンブ・ブランシェ』に着手する。同年、第一次世界大戦の勃発により出征。ドイツ軍と砲火をまじえたヴェルダンの南で20人の連隊兵とともに消息不明となる。遺体がドイツ軍の共同墓穴で発見され、1991年に本人と判定された。現在、サン=レミ・ラ・キャロンヌの陸軍墓地に眠る。享年27歳。