フランスの社会学者・哲学者。1953年フランス北東部の主要都市ランスに生まれ、ランス大学とパリ第1大学で哲学を学ぶ。『リベラシオン』紙、『ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』誌で文芸・思想記事の執筆者として長年活動後、カリフォルニア大学(バークレイ)、ケンブリッジ大学などで客員教授を務め、2009年から2017年までアミアン大学教授。その後ダートマス大学モンゴメリー・フェロー(特別研究員)に選出された。主著『ゲイ問題についての考察』(Réflexions sur la question gay, 1999)はジェンダー論の重要文献とされる。自伝的考察『ランスへの帰郷』(Retour à Reims, 邦訳みすず書房 2020)は国際的ベストセラーとなり、自身の母について書いた続巻『民衆の女の人生、老い、そして死』(Vie, vieillesse et mort d'une femme du peuple)も20か国語に翻訳されている。邦訳された著書に『ミシェル・フーコー伝』(新潮社 1991)、上記『ランスへの帰郷』、インタヴュー著作にレヴィ=ストロース『遠近の回想』(みすず書房 1992)、デュメジル『デュメジルとの対話』(平凡社 1993)がある。
ディディエ・エリボン
Didier Eribon