みすず書房

J・E・オースティン=リー

J. E. Austin-Leigh

ジェイン・オースティンの甥(ジェインの長兄ジェイムズの長男)。オースティン家の家業ともいうべき牧師をつとめ、70歳を過ぎてから叔母の伝記を執筆した。『ジェイン・オースティンの思い出』は没後半世紀にして初めて書かれたジェイン・オースティンの本格的な伝記であり、身近な者のナマの情報を生き生きと伝え、今も伝記研究の第一級の基礎文献である。「田舎の村の三つか四つの家族が、小説の題材として最適なのです」「真面目な歴史ロマンスを書かないと絞首刑にするぞ、とでも言われないかぎり、そういうものを書く気にはなれません」——こうしたオースティンの宝石のような言葉はこの本がなければ、歴史の闇に埋もれたままになったにちがいない。