みすず書房

パトリック・ブランウェル・ブロンテ

Patrick Branwell Brontë

1817年6月26日ヨークシャーのソーントンに生まれる。シャーロット・ブロンテの弟、エミリ・ブロンテ、アン・ブロンテの兄。3歳の時英国国教会牧師だった父の転任でハワースに移住、家庭で主に父から教育を受けて育つ。9歳の時きょうだい4人が空想物語を作り始め、ブランウェルはシャーロットと一緒にアングリア王国のロマンスを展開させた。1838年ブラッドフォードで肖像画家の職業を試みたが挫折、自分の姿を後で塗り消した姉妹3人の群像画を残している。1840年に半年家庭教師を務めた後、鉄道駅員になり、2年後に職務怠慢で解雇。1843年にはアンと共にソープ・グリーン・ホールの家庭教師になったが、雇主ロビンソン夫人との感情のもつれから2年後の1845年解雇された。ハワースに戻ると、落後者意識を強め、阿片や酒に溺れて急激に衰弱する。詩の創作は生涯続けていたが、短詩15篇が新聞に掲載されたほかは大部分手書き原稿のままに残された。肺結核のために1848年9月24日31歳で死亡。