みすず書房

ルート・クリューガー

Ruth Klüger

1931-2020。ウィーン生まれのユダヤ人。1942年9月、10歳のとき母親とともにテレージエンシュタット強制収容所に収容され、44年5月にアウシュヴィッツに、その後さらにクリスティアンシュタットに移される。1945年2月、三度目の移送のさい母とひとりの少女とともに脱走に成功した。戦後レーゲンスブルク大学で哲学、歴史を学び、1947年秋、母とともにアメリカに移住。ニューヨークで英文学、のちに図書館学、バークレーでドイツ文学を修め、カリフォルニア大学アーヴァイン校などでドイツ文学を講じた。クライスト、レッシングの専門家として高名。著書『生きつづける』(鈴木仁子訳、みすず書房)で1993年グリンメルスハウゼン賞、ラウリス文学賞、カシュニッツ賞などを受賞した。ほかにその続編とも言える回想録『途上で失くして』(2008)、エッセイ集『カタストロフィー』(1994)『女は違う読みをする』(1996)などがある。