みすず書房

北御門二郎

きたみかど・じろう

1913年熊本県湯前町のギリシャ正教の家に生まれる。1933年東京大学英文科入学。1936年、大学在籍のまま満州に渡り白系ロシア人にロシア語を学ぶ。1938年に徴兵されるも、トルストイの絶対平和主義を貫き兵役を拒否(その後、兵役免除)。同年大学を中退し、熊本県水上村にて就農生活に入る。1950年代からトルストイ作品の翻訳に本格的に着手、『生ける屍』『懺悔』(ともに青銅社、1965年)『神の国は汝等の衷にあり』(冬樹社、1973年)を翻訳出版する。1978年、『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『復活』(東海大学出版会、2000年に復刊)を翻訳、第16回日本翻訳文化賞を受賞。主な著書として『トルストイとの有縁』(武蔵野書房、1981年)『トルストイの涙』(澤地久枝との共著、エミール社、1992年)などがある。このほか『文読む月日』全2巻(地の塩書房/ちくま文庫、1983年/2003-04年)『イワン・イリイッチの死』(地の塩書房、1986年)『イワンの馬鹿』(地の塩書房、1993年)『トルストイの散歩道』全5巻(あすなろ書房、2006年)、『幼年時代』『少年時代』『青年時代』(ともに講談社、2009年)などトルストイの翻訳書多数。2004年歿。