みすず書房

ヤヌシュ・コルチャク

Janusz Korczak

本名Henryk Goldszmit。1878年もしくは79年、ポーランド、ワルシャワのユダヤ人の家庭に生まれる。ロシア帝政下のワルシャワ帝国大学で医学を学び医師免許を取得、1905年からベルソン=バウマン記念小児科病院で医師として勤務。1912年から孤児院「ドム・シェロト」の院長として独創的な教育実践を次々に編み出した。学生時代から執筆活動にも取り組み、1900年から「ヤヌシュ・コルチャク」の筆名を用いた。小説に『街頭の子どもたち』Dzieci ulicy(1901)、『サロンの子ども』Dziecko salonu(1906)、『マチウシ一世王』(大井数雄訳、影書房)Król Maciuś Pierwszy(1923)、『もう一度子供になれたら』(近藤康子訳、図書出版社)Kiedy znów będę mały (1925)、教育関係の著作に『子どもをいかに愛するか』四部作Jak kochać dziecko(1919-1920)、『子どもの尊重される権利』Prawo dziecka do szacunku(1929)など。ナチ・ドイツ占領下もワルシャワ・ゲットーで孤児院の運営を続けたが、1942年8月、ゲットー一掃作戦の最中にドム・シェロトの子ども約200人らとともにトレブリンカ絶滅収容所行きの列車に乗り、そのまま帰らぬ人となった。