みすず書房

カール・マンハイム

Karl Mannheim

ブダぺストに生れる。学生時代にドイツに留学、認識論の構造分析で学位を取る。1919年のハンガリー革命時にはルカーチらとともに革新知識人文化運動に加わるが、革命の挫折後、ハイデルベルクのA・ヴェーバーの下で研究生括に入る。左右両翼のイデオロギーを相対化する立場から主著『イデオロギーとユートピア』を1929年に発表。知識社会学を確立する。1933年にイギリスに亡命、主にロンドン大学で数鞭をとりながら、存在拘束性の概念を軸に、知識社会学の整備と社会構造の分析に力を注ぐ。これは自由を求めた鋭い時代診断でもあり、本書はその最たる成果である。戦後はユネスコ委員としても活躍するが、1947年に没した。著書はほかにDiagnosis of Our Time(1944)、Freedom,Power,and Democratic Planning(1951)、Essays on the Sociology of Knowledge(1952)などがある。