シリア人作家。1961年、ラッカ生まれ。1980年、アレッポ大学医学部在学中、反体制派民主化組織に所属していたため当局に拘束され、1996年まで収監される。2000年代に「ハヤート」ほか汎アラブ紙上でシリアやアラブの政治・社会・文化に関する論考を発表、2011年以降はシリア革命に参加した代表的知識人(他に作家のサマル・ヤズベクなど)として世界的に注目され、「ガーディアン」「ル・モンド」「ニューヨーク・タイムズ」などに論説が翻訳掲載されている。ジャーナリストとしての業績により2012年プリンス・クラウス賞(オランダ)、2017年クルト・トゥホルスキー賞(スウェーデン)受賞。革命以後に国内潜伏生活を続けるも2013年、トルコに脱出。2017年以降、ベルリン高等研究所研究員としてドイツに滞在。著書『影のシリア——ブラックボックスを覗く』(2009)『片足で歩く』(2012)『引き継ぎし者の神話——現代イスラム批判および批判の批判』(2012)『みなさん、終わりにしよう——シリアの監獄16年』(2012/仏訳Récits d’une Syrie oubliée: Sortir la mémoire des prisons, 2014、邦訳『シリア獄中獄外』みすず書房、2020)『不可能な革命——シリアにおける革命、市民の戦争、みなの戦争』(2017/英訳2017西訳2018)『抑圧された者の帝国』(2018)、フランス独自編集の政治論集La Question syrienne, 2016ほか。
ヤシーン・ハージュ・サーレハ
Yassin al-Haj Saleh